グラビア※この画像は「さつきあい」ではありません。

AIグラビアアイドル写真集発売中止

集英社が画像自動AIを使って作り出した架空のグラビアアイドル「さつきあい」のデジタル写真集『生まれたて。』が販売終了となりました。集英社は「AI生成物の商品化については、世の中の議論の深まりを見据えつつ、より慎重に考えるべきであったと判断」と説明していますが、これは一体どういう事なのでしょうか?

AIグラビアアイドル「さつきあい」

「さつきあい」は、雑誌「週刊プレイボーイ」の編集部が画像生成AIを使って作り出した架空のグラビアアイドルです。
5月29日に発売された「週刊プレイボーイ24号」に特集記事が掲載され、更にデジタル写真集『生まれたて。』も発売、公式ツイッターアカウントも作られ、編集部としては今後大々的に売り出していこうとしていたようです。
しかし、それからわずか1週間足らずで写真集は販売終了、ツイッターアカウントも削除される事に。

「週プレ グラジャパ!」に公式の説明がされており、それによると「制作過程において、編集部で生成AIをとりまく様々な論点・問題点についての検討が十分ではなく、AI生成物の商品化については、世の中の議論の深まりを見据えつつ、より慎重に考えるべきであったと判断するにいたりました」との事。
具体的な事は何も書かれていませんが、昨今話題になっている「似ている画像がある」と言った問題を不安視し、この決断に至ったのではないかと思われます。

画像生成AIの現状について

「ChatGPT」の登場により、凄まじい勢いで広がっている「AI(人工知能)」。画像生成AIに関しては特に無料で利用できる「Stable Diffusion」が出た事がきっかけで世界的な広がりを見せています。
「ごはんを食べている猫」などのようなテキストやデータを入力する事によって、それに準じた画像が自動で作られるというツールで、手軽に理想的な画像が手に入る事で人気になっています。

しかし、AIはインターネット上にあるあらゆる画像を参考にし、時には一部を拝借し、画像を生成します。参考にする画像の中には著作権で守られている画像も少なくありません。結果、著名な画家・イラストレーター・漫画家などの絵に似ている事が頻繁に起こるようになってしまったのです。

「さつきあい」に関しても、「別のグラビアアイドルに似ている」と言った指摘が出ていたようで、これを憂慮し、集英社サイドは売り出す事をやめたのではないか、というのが一般的な見方のようです。
2023年6月時点では、まだまだ問題は解決されていません。この問題が今後どうなっていくのか、気になる所です。

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https://www.grajapa.shueisha.co.jp/