ウマ娘

「ウマ娘」訴えられる!

サイゲームスが管理・運営を行っている実在する(した)競走馬をモチーフとした人気育成ゲーム「ウマ娘 プリティダービー」に対して、ゲームメーカー・コナミデジタルエンタテインメントが損害賠償40億円と配信停止を求めて提訴した事が発表され、ゲーム業界およびゲームプレイヤーたちから衝撃が広がっています。
一見、何も関係なさそうな両社ですが、これは一体どういう事なのでしょうか?

事の経緯

サイゲームスの公式ホームページによると、2023年3月31日にコナミデジタルエンタテインメントから特許権侵害に関する訴訟の提起を受けたとの事。
同じ発表には詳細も載っており、「ウマ娘 プリティダービー」のゲームシステムとプログラムの一部において、コナミと特許権等の協議を行っていたものの、コナミ側に受け入れられず、起訴されたという事です。
サイゲームス側は「特許権を侵害している事実はない」としており、争う姿勢を見せています。また、ゲームの運営は今後も続けていくとの事です。

何が特許侵害なのか?

最も気になるのは、やはり「一体どこか特許侵害なのか?」という事でしょう。
両社から明確に発表されている事ではないものの、「ウマ娘」のプレイヤー達からは以前からコナミの人気ゲーム「実況パワフルプロ野球」のキャラクター育成システムとウマ娘の育成システムが似ていると言った指摘が出ており、どうやらこの辺りで争っていると考えられます。

現時点(2023年6月)では口頭弁論も行われていない為、この裁判がどう進展していくのかはまだ分かりませんが、もしもコナミ側の主張が完全に通ってしまった場合、「ウマ娘」のサービスが終了してしまう事になり、サイゲームス側にとっては非常に大きな痛手になります。なにより純粋にゲームを楽しんでいるプレイヤーたちにとってこれ以上に辛い事はありません。

過去にもあった特許侵害

ゲームメーカーによる特許侵害のトラブルは過去にもありました。最近ので言うと、2017年に任天堂がコロプラが運営するゲーム「白猫プロジェクト」に関して、キャラクターの操作技術関連で特許侵害があったと提訴。結果、2021年にコロプラが和解金として33億円を支払う事で合意し、決着しました。

ゲームメーカーにとって、自分たちで作り出したシステムなどは重要な知的財産になります。それを守りたいという気持ちはよく理解できますが、そのゴタゴタでシステムが変わってしまったり、最悪サービス終了・販売終了となってしまうと、純粋にゲームを楽しんでいるプレイヤーからすれば何も良い事はありません。
今回の件も、誰も悲しむ事の無い形で決着がつく事を祈るばかりです(提訴された時点で‟誰も”というのは難しいのかもしれませんが)。

画像提供:ウマ娘 プリティダービー公式サイトより