クマのプーさん

プーさんのホラー映画が登場

子どもから大人までご存じの『クマのプーさん』を原作としたホラー映画『Winnie the Pooh: Blood and Honey(クマのプーさん 血とはちみつ)』のポスターが公開され、ディズニーのプーさんとは似ても似つかないおぞましいグラフィックが話題になっています。
しかし、こんな使い方をして、著作権の問題などは大丈夫なのでしょうか? 実はクマのプーさんの原作の著作権は2022年1月に切れているのです。

クマのプーさん 著作権切れ

『クマのプーさん(原題:Winnie-the-Pooh)』は、1926年に出版されたA・A・ミルン氏による児童小説(絵本)です。一般的に知的財産権は世に登場してから95年間は守られます。1926年出版のプーさんは2022年に著作権が切れてしまったわけです。なので、こんなムチャクチャなパロディでもまかり通ってしまうのです。
ちなみに、プーさんの人気キャラクターであるティガーは、1928年に出版された続編『プー横丁にたった家』から登場した為、まだ著作権があり、自由には使えません。

ちなみに日本でも既に『プーさん』の著作権は2017年に切れており、やろうと思えば誰であっても『クマのプーさん』関連のグッズなどを作っても良い事になっています。現に角川文庫は著作権が切れたその年に新訳版の絵本を出しています。

ディズニーに似せたらアウト!

ここで大事なのはディズニーが作った「アニメ版のプーさん」にはまだ著作権があるという事。最初に作られたプーさんのディズニーアニメ『プーさんとはちみつ』は1966年に公開されたので、まだまだ著作権は切れていません。
なので、「ディズニーのプーさん」っぽいグッズは勝手に作ってはいけないわけです。冒頭に紹介したホラー映画のプーさんも、ディズニーのプーさんとは似ても似つかない風貌をしており(そもそもホラー映画だし)、「ディズニーのプーさんは元にしていませんよ~」と暗に言っているかのようです。

今後はどうなる?

世界的に人気のキャラクターも、誕生から既に数十年が経過しているモノが少なくありません。ミッキーマウスやムーミン、スヌーピーと言ったキャラクターもいずれはこういった事態になる可能性は否定できません。
とは言え、数多くのファンがいるキャラクター達です。メチャクチャな利用は批判の的になる可能性があります。今回の映画も面白がられる一方で、ファンからは批判の声は出ています。
自由に使える事と、どう使うかは別と言う事です。もしも何かやる気でも、キチンと配慮した作品作りが求められる事でしょう。