ゆっくり茶番劇決着か?

「東方project」の二次創作であり、本来誰の物でもなかった動画コンテンツスタイル「ゆっくり茶番劇」が、第三者によって商標登録された騒動について、一応の決着が着きそうな感じです。「ゆっくり茶番劇」の商標権抹消登録申請書が提出され、それが受理された事が判明したのです。
このまま行けば抹消され、商標問題は無くなるという事になります。

「ゆっくり茶番劇」商標問題

ニコニコ動画やYouTubeで人気のコンテンツスタイル「ゆっくり茶番劇」。同人サークル・上海アリス幻樂団が展開しているシューティングゲーム「東方project」のキャラクターが人工音声で様々な事柄を解説するというモノです。
このコンテンツを上海アリス幻樂団とはまったく関係の無いYouTuber柚葉(ゆずは)氏が商標登録。今後、このコンテンツを利用する場合はお金がかかるなどと発表した事で大きな騒動になりました。その後、お金は取らないとしたものの、権利は自分にあり続けると主張。身勝手とも思える言動に騒ぎは大きくなる一方でした。
これに対して、実際に商標登録を行った特許事務所が謝罪、上海アリス幻樂団の代表であるZUN氏、ニコニコ動画を運営するドワンゴの栗田穣崇COOらが反応。どう決着が着くのか、行先が見通せない状態でした。

商標権抹消登録申請書、受理

そして、「ゆっくり茶番劇」の商標に対して、2022年6月2日、商標権抹消登録申請書が提出され、それが受理された事が判明しました。このまま話が進めば、商標は抹消される事になり、再び「ゆっくり茶番劇」は誰の物でもなく、自由に使えるコンテンツに戻る事になります。

商標を登録したYouTuber柚葉氏が所属する配信者コミュニティーの「Coyu.Live」は、事の顛末を報告し謝罪。これをもって対応を完了すると報告しました。
そして柚葉氏ですが、何も語る事無くツイッターアカウントを削除。YouTubeは現時点(2022年6月3日)では閲覧できるものの、今回の商標に関する動画は1つも無く、川のせせらぎなどを流すだけの動画などがほとんどという状況になっています。おそらく、今後表に出てくる事は無いのではないかと思われます。

法律ではなく道徳の問題

これに関するツイッターのつぶやきなどを見ていて、「これは法律的には問題無かったというのが、本当の問題」と言ったモノがありました。それを見て、筆者は「なるほど…」と納得してしまいました。
今回の問題は、「本来誰もが使えるモノを勝手に商標登録する」という“道徳の問題”であり、法律的には何ら問題はありません。柚葉氏が逮捕されると言った事は無いわけです。
しかし、にも関わらずこれだけの大きな騒動になったという事は、今後こういったトラブルを無くす為には、あらゆる事に関して商標の登録を行い、その上で「好きに使っていいよ」と公言する必要があるのかもしれません。
仕方ないと思う一方、世知辛い世の中だなとも思いますね。