概要

疫病を退散させるご利益があるとして、流行している妖怪の「アマビエ」
そんな中、いくつかの会社や個人が「アマビエ」という言葉に対して文字商標を出願していましたが、どれも審査待ち状態で結果は出ていませんでした。
その中で、製菓会社「お菓子のさかい」がいち早く出願をしていましたが、それがこの度却下となったというニュースがありました。

アマビエとは?

アマビエは江戸時代後期に熊本県に現れたと言われる妖怪です。見た目は河童のような感じですが、詳しい事は分かっていません。
その土地の役人がアマビエと遭遇し「これから6年間豊作が続く。しかし疫病も流行るだろう。私の姿を書き写した絵を人々に見せよ」と予言めいた事を言って消えたと言われています。ただ、これだけ読んでもアマビエ、もしくはその絵に「疫病退散」の効果が込められているかはイマイチ分からず、更にその後、本当に疫病が流行り、アマビエの絵が人々に配られたのかも分かってません。

それから100年以上が経過した2020年に新型コロナウィルスが流行。「疫病を退散させる」と言われたアマビエがSNSを通じて大人気となり、現在様々な食べ物とコラボしたり、子ども向けの塗り絵などになっています。

著作権は無いが?

前述の通り、アマビエは特定の著名人が描いたモノではなく、更に世に出てから100年以上も経過している為、著作権も存在せず、誰がどのように扱っても問題はありませんでした。
しかし、この流行に乗じて権利を得ようと文字出願をする会社や個人が出てきました。もしも、これが通ってしまうと、今後「アマビエ」という言葉を使う際には、その会社や個人に許可を得る必要が出てきます。
大手広告代理店の電通が出願をしていましたが、批判を受けた為、後に取り下げています。

現在、いくつかの会社が出願を出していますが、いずれも通過はしていません。そんな中、いち早く出願していた製菓会社「お菓子のさかい」の出願が却下されました。

真相は?

これだけ聞くと当然のように思え、また出願した製菓会社「お菓子のさかい」はアマビエの権利でお金儲けをしようとした会社というイメージが湧きますが、真相は少し異なるようです。

社長の話によると、もしも自分の会社が権利を取得できても独占はせず、これまでと同じように皆が使えるようにしていくつもりだった、との事。別の会社が権利を取得し、独占しようとするのを防ぎたかったと言っています。

今回、許可が下りなかった事から、今後も「アマビエ」に関しては権利の取得は出来ないと思われます。そうなれば、今後も誰もが自由にアマビエを使う事ができる事になり「お菓子のさかい」の社長の願った通りになるという事です。

ただし、一点注意したいのは、誰かが書いたアマビエはその書いた人に権利があるので、アマビエだからと言って、何でも間でも自由にして良いわけではありません。注意して下さい。