引用元:日本一ソフトウェア

おススメゲーム紹介

365日、ゲームをしない日は無いゲームジャンキーの筆者が偏見と独断でおススメゲームをご紹介。100万本以上売れる大ヒットゲームは他にも多くのメディアで紹介されているので、それほどヒットしたわけではないけど知る人ぞ知る作品をメインに語りたいと思います。
今回は3DダンジョンRPG『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』をご紹介します。

ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団

『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』は日本一ソフトウェアから発売された3DダンジョンRPGです。対応機種はPS Vita・PS4・Nintendo Switch。PS VitaとPS4は2020年に、Nintendo Switchは2021年にそれぞれ発売されています。

本作は2016年に同じメーカーから発売された『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』というゲームの続編に当たります。『ルフラン~』はウィキペディアに項目もありますし、発売当初は売り切れが続出した事からそこそこ話題になりましたが、続編である本作はあまり話題になりませんでした。ウィキペディアもありません(2021年12月14日時点)。
理由はハッキリとは分かりませんが、システムもグラフィックもほとんど変わっていない事から「安い二匹目のドジョウ」と評されてしまったのかもしれません。
しかし、どちらもプレイした筆者から言わせてもらうと「確かにシステムもグラフィックもだいたい同じだが、お話はまったくの別物。こちらも一度引き込まれたら戻れない魅力的ドラマ」でした。決して駄作なんかではなかったと思います。

お話は要領が悪く、元気だけが取り柄の少女ユリィカが、助手募集の張り紙を見て、魔女マダム・マルタの元で迷宮「ガレリア宮」にあるという“奇品”と呼ばれるモノを集めるというモノ。実際にユリィカが迷宮に入るのではなく、ユリィカのお供であり、そして主人公であるランタン「降霊灯(こうれいとう)」が行ってきます。

ゲームシステムは国産RPGをベースとした3DダンジョンRPG。最大の特徴はパーティーの数で、なんと最大40人のパーティーを作成する事ができます。正確に言うと、戦闘に参加できるのは15人で残り25人はサポートになります。
他にもダンジョンの壁をぶち壊す事ができたり、目に見える形で強敵がいたりと言った事が挙げられます。

良かった点

●見た目とは裏腹のエグさのあるドラマ
前作『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』もそうでしたが、本作も童話チックな見た目とは裏腹に、非常にエグくて過激な物語が展開されます。本作はネタバレで価値が半分以下になってしまうので具体的な事は言えませんが、人によっては「付き合ってられない!」と言いたくなるほど苛烈な展開です。事ある毎に嘔吐したり、あの人やこの人が首吊って自殺しちゃったり、容姿が理由で辛いいじめに遭ったり……。
しかし、仲間全員が仲良くボスを倒してみんな元気にエンディングという作品に生温さを感じている人ならば、このドラマにきっと引き込まれるはず。ネットでは「ルフランに比べたら大した事無い」などと言われていますが、個人的にはそんな事は全然無く、本作も強烈だったと感じました。

●予想外が連続する展開
↑と少々被りますが、本作は途中から予想外のドラマが展開されていきます。言ってしまいますが、ユリィカをメインとした迷宮での奇品探しは全体の30%くらいで、中盤からメインキャラクターも舞台も、時代、更には戦闘メンバーさえも変わってしまいます(戦闘メンバーは後で元のメンバーと合流します)。バトンタッチするキャラクターは公式サイトにすら載っていません。でも、載っていて説明をしてしまうとその時点でもうネタバレになっちゃうので仕方がない事なんですが。
最初の時点で、後半の展開を予想できる人はおそらく誰もいないと思います。筆者はこの展開にグイグイ引き込まれてしまいました。

●RPGを堪能できる探索と戦闘
探索はダンジョンに潜り、宝箱などを見つけながら敵と戦うという、オーソドックスなモノ。そこに前述した「壁ぶち壊し」などと言った要素が追加されており、ハマると抜けられてない面白さがあります。
更に面白いのが戦闘です。メンバーは3DダンジョンRPGらしく、固定キャラクターはおらず、最初の1人から自分で「作る」事になります。ファセット(いわゆる職業)や見た目などを自分で選択し、自分だけのパーティーを作っていきます。最初は3~4人くらいしか作れませんが、後半になっていくとドンドン増えていき、前述した通り最大40人という大所帯を作る事ができます。実際、様々な制約があるので40人パーティーはかなり難しいんですが、コツコツ積み上げていく事で確実に強くなっていくという過程は、RPGの醍醐味と言えます。

●魅力的なキャラクター
戦闘には参加しませんが、物語には数多くの登場人物が出てきます。詳しく言っちゃうとネタバレになるので言いませんが、みんなとても魅力的で、作品をよりカラフルなモノにしていたと思います。個人的にはやはりユリィカが好きでしたね。「ルフラン」に登場したルカのような健気な女の子で、この子が最初のメインキャラで良かったと思います。最初からあの子(バトンタッチするメインキャラ)だったら嫌になってたかも。いや、あの子も後半には大好きになってましたけどね。

気になった点

●水増し感のあるダンジョン
本作には「ランダムで生成されるダンジョン」というモノが3つ出てきます。1階1階は短めなんですが、大したイベントも無いし、ただひたすら進むだけであまり面白さがありません。しかもこのランダムダンジョン、やたらと長いんですよね。3つの内2つは100階前後、これだけでも十分長いんですが、もう1つ(本作で最後に行く事になるダンジョン)は、驚異の3651階という、トンデモナイ階数になっています。実際は途中でワープができるので、ガチで3651階上るわけではないんですが、それでもたぶん300階くらいは自力で歩いたと思います。
この3つのランダムダンジョンでプレイ時間の1/3くらい使う羽目になったので、ここはもっと短い方が作品に締まりが出たと思います。

●話が非常に複雑
前述したように、本作はかなりの展開を見せます。そこには予想外の黒幕がいたり、一般的な概念とは異なる「タイムパラドクス」があったりと、非常に複雑でややこしい話になっており、理解するのがとても大変です。「ルフラン」も複雑な話でしたが、本作はそれを上回ります。真相を知っている人物がいるのに、あえて分かりにくい説明をさせているのも気になりました。もっとバシッと言ってくれよと。
なんとなくは分かりますし、複雑な話だからこそラストの展開に感動したとも言えなくはないですが、もう少しシンプルなお話の方が幅広い層に受けたのではないかと思います。

●後半になるほどピーキーなバランスになる
前半こそ剣や弓で戦ったりしますが、後半になるとドナム(いわゆる魔法)が恐ろしいほど強くなり、全体魔法一撃で敵を全滅させる事も難しくありません。剣で攻撃するのはバカらしく感じるほどです。逆に不意打ちなんかを受けると1ターンで死者が1~2人出る事も珍しくなく、非常にピーキーなバランスになります。
RPGの後半は大体そういう事になりがちですが、本作はそんな中でも特に際立っており、ここはもう少しマイルドに調整してほしかったなと思いました。

総評

非常に癖のあるゲームである事は間違いありません。特にストーリー面で気に入らない人もいるとは思います。しかし、一度でもハマれば、最後まで絶対にやりたくなる作品でもあると言えます。
「ルフラン」をプレイした人なら絶対やった方が良いですし、ドラクエなんかを「生温い」と感じたのならぜひやってみてほしいゲームです。きっと、アナタの心に強烈な印象を残してくれるはずです。

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