「ウィロー」とは?

「ウィロー(Willow)」は1988年に公開されたアメリカのファンタジー映画です。原案は「スターウォーズ」の生みの親であるジョージ・ルーカス氏です。小人の青年ウィローが川で人間の赤ん坊を拾った事で、邪悪な魔女との戦いに巻き込まれていくという内容で、大ヒットとまでは行きませんでしたが、そこそこの人気を得ました。
翌年の1989年にアーケードゲームが稼働し、そして同じ年ファミコン用ゲームとしても発売されました。アーケードゲームは純粋な横アクションゲームですが、ファミコン版はまったく異なりレベルの概念があるアクションRPGとなっています。

筆者は映画を見ていないにも関わらず、ファミコン版のゲームを何故か購入(理由は覚えていません)。本格的なグラフィックと印象的なBGMにすっかり魅了され、今でもハッキリ覚えているほどです。
今回はそんな「ウィロー」の魅力をご紹介したいと思います。

魅力その1 本格的なグラフィック


本作の開発はカプコンが行っており、キャラクターの顔などはかなり映画版に近いモノになっています。会話をする際にはリアルな顔グラフィックも出て、「剣と魔法のファンタジー」な世界観をリアルに表現しています。
景色などもかなり力が入っており、敵が出現すると草木がザワザワと動くと言った演出もあり、とても印象的でした。

魅力その2 素晴らしいBGM

本作で筆者が最も推したいのがBGMです。ファンタジー世界の雰囲気を表現する素晴らしいBGMがズラリと並んでおり、今でもハッキリ覚えています。のどかな町のBGM、勇壮なフィールド曲、緊迫感のある戦闘BGM、おどろおどろしい洞窟内のBGM、どれもこれも今のゲームに引け劣らないモノがあります。
筆者個人は、物語中盤、怪物に姿を変えられた青年ムーシと、その恋人ジェナーが再会するシーンで流れる曲がとにかく大好きでした。哀愁漂う美麗なメロディは今でも忘れていません。

魅力その3 剣と盾と魔法を持っての大冒険

ゲーム自体は剣を持って様々な敵と戦いながら、アイテムを手に入れて先に進んでいくという非常にオーソドックスなスタイルです。しかし、ファンタジーアクションRPGにおける最も楽しい部分がギュギュッと詰まっており、当時小学生だった筆者は夢中になりました。洞窟の中で新しい武具を手に入れた時の喜び、今まで進めなかった所を新しいアイテムを使って進めるようになった喜び……。あの感動は色々経験し過ぎてしまった今ではきっともう味わえないでしょうね。

気になった部分

と、システム、ゲームデザイン、世界観、BGM、どれをとっても一級品でした。しかしその反面、難易度もかなり高めでした。敵の癖が強く、盾を持っていて攻撃がなかなか当たらない骸骨戦士や、魔法でないと攻撃できない敵、そして、おそらくプレイした人全員が記憶しているであろう洞窟内に登場し、ウィローを豚に変える魔法を放つアイツ(名前は不明)など、曲者揃いでした。また、ボスもかなり強く、雑魚戦ではまず使わない盾をフル活用する必要がありました。
アイテムを取る為に過去に行った場所に頻繁に戻る事もあり、シッカリ地名などを覚えていないと混乱もします。

とは言え、昔のゲームはどれも大抵難しかったので、シッカリやっていれば決して突破できないわけではなかった本作は、フレンドリーな方だったとも思います。

また、これはプレイ後に知った事ですが、映画とはキャラクターこそ同じですが、内容が全然違っているため、映画ファンの方は気を付けた方が良いかもしれませんね。

今プレイするには

この作品はアーカイブ配信などは行われていません。版権の問題なのか、そもそも配信しても儲けにならないと思われているのか……。
なので、プレイしたければファミコンと本ソフトを手に入れるしかありません。ただ、希少品ではないので、手に入れようと思えばそう難しくは無いと思います。
筆者個人としてはレトロゲーマーでなくとも、ぜひとも多くの人にプレイしてもらいたい傑作だと思っています。