スーパーロボット大戦30レビュー

スパロボ30クリア!

1991年に発売された人気シミュレーションRPG「スーパーロボット大戦」。ガンダムやゲッターロボ、マジンガーZなど、本来なら出会う事の無いロボットが一堂に会して巨大な悪と戦うというロマン溢れる設定が多くのユーザーに愛され、2021年でシリーズ30周年を迎えました。2021年に発売された現時点での最新作「スーパーロボット大戦30」の名は、シリーズ30周年である事に因んでいます。

そんなスパロボですが、筆者は大のスパロボ好きであり、ほぼ全てのシリーズをプレイしています。ただ、なかなかに多忙な社会人なので、発売即プレイ即クリアとはいかず、半年以上経ってようやくクリア。で、正直プレイするのが遅くなったのを悔やむほど面白かったので、その感想を書かせていただきたいと思います。

興味のある方は、ぜひとも一読してくれると嬉しいです。なお、極めて個人的な意見になるので、ご了承ください。
※2022年5月25日時点での全てアップデート及び、無料のDLCを全てインストールし、有料DLCは一切購入していない状態での感想となります。

スパロボ30概要

「スーパーロボット大戦30」は2021年10月に発売されたNintendo Switch/PlayStation 4/PC(Steam配信)用ゲームです。

ガンダム・ゲッターロボ・マジンガーZと言った古今東西のロボット作品が一堂に会し、敵と戦うという作品で、キャラクターをマス目で区切られたマップ上に配し、それを将棋の駒のように動かしながら敵を攻撃していきます。
攻撃は派手なアニメーションによって描かれ、更にパイロットによる声も流れる為、非常に迫力ある映像を楽しめます。現在のスパロボの最大の売りはこの「ド派手なアニメーション戦闘」と言っても過言ではありません。
また、どんな作品が参戦するかも見所の1つで、本作は「勇者警察ジェイデッカー」「ナイツ&マジック」「SSSS.GRIDMAN」「覇界王~ガオガイガー対ベターマン~」「コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(機体のみ)」「マジンカイザー INFINITISM(機体のみ)」が初参戦となった他、久々の参戦となった「機動戦士Vガンダム」「重戦機エルガイム」などが話題となりました。

これ以上の詳しいシステムに関しては話すと長くなりすぎるので、公式サイトなどをご確認ください(汗)。

良かった点

〇シナリオが選択式になった事
これまでの過去作品はほぼ全て、物語の流れは決まったルートを辿るだけでした。途中で選択などで分岐する事はありますが、「どのルートを選ぶか」程度であり、流れ自体は誰がやっても同じでした。
しかし、本作は次にプレイするシナリオ(本作では“ミッション”という名称)をプレイヤー側が自由に決められます。さすがに最初からラスボスに挑めるほど自由度が高いわけではなく、特定のミッションをクリアすると、次の「ミッション群」が出てくるという形ではありますが、それでも過去作に比べれば非常に自由度は高く、「次はどのミッションをやろうか」と考える楽しみがありました。

〇フリーミッションができた事
↑に伴い、今まで無かった「クリアしてもいいし、しなくてもいい」フリーミッションが登場。レベル上げ・資金集め用として活用でき、メインでは使いづらいサブキャラもシッカリ育てる事ができます。
その中には「新しい機体が手に入るミッション」、「強力な強化パーツが手に入るミッション」などもあります。更に特定のキャラで敵を〇〇体倒す、などの条件をクリアしないと出てこないミッションもあり、とにかくやりがいがありました。
これらを隅々までやった結果、プレイしたミッションは170越え。過去作は大体50話前後くらいだったので、3倍近いボリュームがあったと言えます。

〇クリア後も続きが遊べる
過去作はクリアしてしまうと、次は「最初から遊ぶ」しか選べませんでした。しかし、本作はクリアした後でも続きをプレイする事が可能で、クリア後に出てくるスペシャルシナリオをやったり(特定の条件が必要)、プレイしていないミッションをやったりと、引き続き遊ぶ事が可能です。

〇難易度は低め
↑に伴い、どんなキャラクターでもやろうと思えばガンガン強くする事ができ、サブキャラでも十分使えます。メインキャラに至っては恐ろしいほどの強さになり、筆者はラスボス相手でも、ほとんど苦戦する事はありませんでした。
特に強く印象的だったロボットは以下の5体。

●ヒュッケバイン30th
主人公が乗るオリジナル機体。射撃が超強力なロボで最終武器「フルインパクト・ブラックホール・キャノン」の攻撃力はまさに驚異的。終盤になると「熱血」も「魂」もやらないで、30000とか化け物じみたダメージを叩き出せます。

●ファイナル・ガオガイガー
「覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~」の獅子王凱が乗るロボット。あらゆる数値が高く、最強武器「ゴルディオンフィンガー」は「熱血」をかければ10万ダメージ超えも難しくありません(演出も凄すぎる)。また、搭乗者が7人もおり、終盤は「勇気」や「愛」と言った最強クラスの精神を好き放題使いまくれます。

●イカルガ
「ナイツ&マジック」のエルが乗るロボット。本作一のスピードスターで、雑魚相手ならかすりもせず、ボス相手でもかなり攻撃を避けられます。最高武器「高機動攻撃」は非常に使い勝手が良く、コチラも最終盤は30000ダメージいけます。

●マジンカイザー
「マジンカイザーINFINITISM」の甲児が乗るロボット。装甲値が高く、多少の攻撃にはビクともせず。最強武器「ファイナルカイザーブレード」は「ゴルディオンフィンガー」に負けず劣らずの強さです。

●フルパワーグリッドマン
「SSSS.GRIDMAN」のグリッドマンが変身するロボット。武器は少ないものの全ての攻撃が超強力で、最終盤で会得する「電光超人グリッドマン」は往年の特撮的演出も相まって非常に印象的です。

この5体だけでもほぼ無双できますが、他にもコン・バトラーV・V2ガンダム・フェネクス・エルガイムMk-Ⅱ・ファイヤージェイデッカーなど、メインロボは総じて強く、小難しい事を考えずに気持ち良くプレイできました。

気になった点

〇作品同士の絡みは控えめ
プレイできる順番をプレイヤーが選べるようになった事で、「このイベントを通過している」というフラグ立てが難しくなったからか、作品同士のクロスオーバーはかなり控え目でした。ちょっと他作品キャラの会話が入る程度です。オリジナル組(アサヒ&シャッテとかイルムとかギリアムとか)に至っては、ほぼ空気です。まあ、彼らは無料アップデートで追加されたらしいので、仕方ないとも言えますが。

〇ドライストレーガーが微妙
本作は主人公だけでなく、旗艦(部隊の中心となる戦艦)ドライストレーガーとその搭乗者達もオリジナルとなっています。
それはいいんですが、肝心のドライストレーガーがイマイチ弱い。「ちょっと強いいつもの戦艦タイプ」という感じで、個人的には移動後の攻撃手段が無かったのは辛かった。
ここ最近のスパロボは「宇宙戦艦ヤマト」とか「キャプテンハーロック」など、ロボット並みに強い戦艦が出ていたので、もうちょっと使い勝手が良い方が良かったかな……。

〇有料DLCでないと使えないロボットがある
過去作の有料DLCは「ボーナスシナリオ」がほとんどでしたが、本作では有料DLCを購入しないと使えないキャラクターがかなりいます。個人的にはボルテスⅤ、光武二式(サクラ大戦)、ガンダム・バルバトスルプスレクス(鉄血のオルフェンズ)、ULTRAMANなどはぜひとも使ってみたかったんですが……。
有料DLCを買わせようという魂胆なのか、序盤に顔見せで1話だけは使えるってのもセコイ。作品のクロスオーバーが売りなのに、その売りを「別売り」にするのはどうなんだろうと思いました。

結論:買い

完璧な作品なんてこの世にはありません。
本作も文句がまったく無いわけではありませんが、過去の作作に比べてやり込み要素が極めて多く、ボリュームで言えば間違いなく過去最高だと思います。スパロボはいつも1周のボリュームが少ないと思っていただけに、この多さは素晴らしかったと思います。
システムも分かりやすかったし、難易度も低めです。シリーズプレイ済みの方はもちろん、これからスパロボを始めたいと思っている方でも十二分に楽しめる秀作だと思いますよ。

【サイトはコチラ】
https://srw30-thirty.suparobo.jp/
画像引用:バンダイナムコエンターテインメント