引用元:フィスト 紅蓮城の闇Steamページ

マイナーだけど面白いゲーム

Steamなどの発展により、資本の無い個人であっても気軽にゲームが作れ、それを世界中に送り届けられる時代になりました。その中には自分にとって「ドンピシャ」なゲームもきっとあるに違いありません。
しかし、情報が多すぎる今、不運が重なりそのドンピシャなゲームに巡り合わない事もあります。そこで今回、筆者が実際にプレイした面白いけど「超マイナー」なゲームをご紹介したいと思います!

フィスト 紅蓮城の闇

引用元:フィスト 紅蓮城の闇Steamページ

そのゲームとは「フィスト 紅蓮城の闇」です。皆さん、知ってますか? きっと知らないですよね。
「フィスト 紅蓮城の闇」は中国のゲームメーカー「Tigames」が開発、同じく中国のエンタメコンテンツ企業「bilibili」が発売したゲームです。オリジナルタイトルは「F.I.S.T.:Forged In Shadow Torch」。対応機種はPS4・PS5・Steam(PC)の3機種。
中国のゲームと言えばオンラインゲームの「原神」がとにかく有名ですが、逆を言えば、「原神」以外知らないという人も多いと思います。恥ずかしながら、筆者もそうでした。しかし、このゲームをプレイし、今までよく知らなかった「チャイナパワー」を思い知らされました。

ゲームとしては「メトロイドヴァニア」タイプのゲームで、グラフィックは3Dですが、操作としては2Dゲームとなります。
どちらかと言えばキャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)ではなくメトロイドの方に近く、経験値やレベルの概念が無く、敵と戦ってお金を手に入れてスキルを覚えたり、広大なダンジョンを探索してアイテムを探したりして強くなります。

物語は擬人化された動物が住む街「Torch City(トーチシティ)」を舞台に、元レジスタンスの戦士・レイトンが裏切り者のかつての仲間の野望を阻止する為に戦うというモノです。

ここが素晴らしい!

〇作り込まれた超美麗グラフィック
舞台となる街「Torch City」は中国の雑然とした繁華街を思わせる街で、その作り込みは国産ゲームは元より、海外の大作ゲームにも引け劣らないほどの凄まじいレベルに達しています。この映像を見るだけでも、この作品は買う価値があるのではないかと思います。
更に、そんな街の中を縦横無尽に動き回るのも、メチャクチャ楽しかったです。

〇新しい技を取得して進めなかった場所を進む快感
メトロイドヴァニアタイプのゲームの醍醐味と言えば、何と言ってもコレだと思います。本作もストーリーを進める事で二段ジャンプや壁張り付き、ダッシュなど、様々なスキルを覚えていき、今まで進めなかった場所に進められるようんあります。この「新しいスキルで今まで行けなかった場所に行く楽しさ」はやっぱり最高に気持ち良いですね。

〇攻撃レパートリーの多さ
本作は武器自体はフィスト・ドリル・ウィップ(鞭)の3種類しかありませんが、□や△ボタンを駆使して連続攻撃を決めたり、溜め攻撃をしたり、ゲージを使って強力な技を繰り出したりとその攻撃レパートリーは非常に多く、人によって戦い方は千差万別とも言えます。3種類の武器もどれが強いor弱いというのは無い為、完全に好みで使えます。
様々な組み立て方、戦い方ができ、何度プレイしても、きっと新しい戦い方ができると思います。

〇香る中国らしさ
冒頭にも書いた通り、本作は中国産のゲームです。その為、デフォルトの音声は中国語です。ちなみに音声は中国語か英語のみで、日本語音声はありません(日本語字幕には対応)。せっかくなので最初から最後まで中国語でプレイしましたが、中国語メインのゲームプレイは生まれて初めてだったので、新鮮で良かったですね。
他にも漢字の看板が並ぶ街並み、ラーメンと言った食事など、随所に中国を感じられて楽しかったです。

〇擬人化された動物達
本作には「人間」は1人も出てこず、登場人物は全て擬人化された動物となっています。主人公はウサギで、仲間はクマだったりネズミだったりネコだったりします。
正直、ストーリー的に動物である必要は無かったと思いますが、これが普通の人間だったら、それはそれで味気無いモノになっていたと思います。見た目は可愛い感じのレイトンですが、声は渋めのお兄さん声でカッコ良かったし、ヒロインのレディQはセクシーな感じが出ていて素敵だったと思います。物凄く出番少なかったですけど。
「動物の擬人化」が“他とは違うエッセンス”になっていた事は間違いありません。

ここが気になった!

〇パズル的エリアが多い
本作には敵とのバトルも当然あるものの、それ以上にスキルを使ってギミックを突破する「パズル的エリア」が非常に多く用意されています。しかも頭を使う事よりも、細かな操作を要するモノが多く、例えば当たるとやられるトゲをビッシリ配したエリアを絶妙な操作で抜けていくという感じです。
ちょこちょこあるくらいなら良いんですが、さすがに多すぎだと感じました。中にはかなりの高難易度エリアもあり、10回以上トライ&エラーを繰り返したりしました。

〇敵がかなり強い
本作は探索型ドラキュラなどに比べると敵の種類は少な目です。ただし、その分1匹1匹がかなり強めに設定されており、例え雑魚でも油断しているとボッコボコにされます。場面によっては数匹まとめて出てくる事もあり、そうなると苦戦は必至です。私は特に忍者っぽい動きをしてくる敵に苦労させられました。「簡単」でやってたのに‥‥。
間口を広くするなら、もうちょっと簡単でも良かったんじゃないかなと思いました。

〇設定が分かりにくい
主人公レイトンの過去や現在の細かい状況、街の成り立ちなどを説明する間もなく、いきなり仲間が敵に捕らえられて、すぐさま冒険が始まってしまいます。その後、仲間との会話や、ちょっとした回想なども入る為、何となく分かりはするものの、一度シッカリと描写・解説して欲しかったですね。
特に物語の核となる「火種」とは何だったのか、などはキッチリ描くべきだったと思います。

〇やっぱり短い
これはメトロイドヴァニアタイプの宿命とも言えますが、本作も20時間もあればコンプリートできてしまいます。クリア後の要素もありませんし、探索型ドラキュラのように敵を倒してレアアイテムを手に入れると言った要素もありません。
エリアをもっと広くするか、同じエリアを何度も行き来したくなるような要素が欲しかった所です。

結論 買うべし!

タイトルにも書いた通り、メトロイドヴァニア、特にメトロイドが好きな人なら確実に気に入る作品だと思います。探索型悪魔城ドラキュラとはやや趣向が異なりますが、筆者は十二分に楽しむ事ができました。
値段も3,000円台と安めですし、何か面白いゲームを探しているのあれば、ぜひともプレイしてほしいなと思います。

【公式サイトはコチラ(Steam)】
https://store.steampowered.com/app/1330470/_/?l=japanese