まだ使われていたフロッピーディスク

2022年4月、山口県阿武町にて町民463人に振り込まれるはずだった新型コロナ対策の臨時給付金、計4630万円が、誤って1人に振り込まれてしまった事件。事件の詳しい経緯や、逮捕された容疑者の良し悪しなどは当サイトでは詳しくは触れませんが、この事件でSNS上でにわかに脚光を浴びたのが「フロッピーディスク」です。
町役場から銀行に振込依頼データの入った「フロッピーディスク」が渡されていた事が明らかになると、「令和なのにまだフロッピー使ってたの!?」などと驚きの声が上がりました。

絶滅していたと思われていたフロッピーディスク

当サイトでも以前、「地方銀行で「フロッピーディスク」の取り扱いが次々と終了してる事が判明!」と題した記事を紹介しました。この記事を紹介したのが2020年11月。既に1年半が経過していますが、まだ使っている機関があったというわけです。

今お店で売られているパソコンにフロッピーディスクドライブが付いてる機種なんてまずありませんし、筆者の仕事でもフロッピーディスクを使う事は一切ありません。おそらく、ほとんどの人はもうフロッピーディスクなんて使っていないはずです。
事実、国内のフロッピーディスクの生産は2011年に終了しています。
容量は少ないし、落としたらすぐ壊れちゃうしで、今の感覚で言えば不便な事この上ないフロッピーですが、何故まだ使われ続けているのでしょうか?

今でも使っている機関

今でも、フロッピーディスクを使っていると言われているのが地方銀行、市役所、国の省庁などと言った所、要は「昔からずっと存在し続けている組織」というわけです。
おそらく、それ以前は手書きだったモノがパソコンの導入によってフロッピーを取り入れるようになり一気に普及。が、更に時代が進み、CDやDVDなどの新しい媒体や、ネット上でのやり取りなどがメインになっても、一度フロッピーを基準としたデータ管理体制は簡単には変えられず、やむを得ず今も使い続けているという事なのでしょう。

各所もネットバンキングなどに切り替えているという事ですが、フロッピー利用が「ゼロ」になるのは、まだまだ先、それこそフロッピーがこの世から消えるような時代になってしまうのかもしれません。

だから「IT後進国」と言われる?

日本はヨーロッパやアメリカなどの先進国に比べるとIT技術の普及が遅れていると言われています。新型コロナのワクチン接種について、接種券を「紙で郵送する」という方法がとられた時も「今の時代に郵送?」と賛否がありました。

筆者個人の話ですが、以前、加入していた冠婚葬祭互助会から脱退しようとした際、ネットで申し込んだんですが、その後電話がかかってきて「担当者が家に行って、そこで契約破棄を」と言われて「何の為のネット申し込みだよ!」と思いました。後日、担当者が家に来た時、「ネットで申し込んでくる人なんてほとんどいないから、ビックリした」と言われ、こっちの方がビックリしました。

一度根付いてしまったやり方を根本から変えるというのは、決して簡単な事ではないというのは分かりますが、日進月歩でIT技術が進化している今の時代、それが求められている事は間違いないと思います。

フロッピーじゃなかったら起きなかった?

今回の誤送金事件がフロッピーではなかったら起きなかった、かどうかは分かりません。ただ、最新の技術を使っていたならば、もしかしたら誤送金は防げた、もしくは直後に気付けたかもしれない、とも思います。
皆さんはどう思いますか?