三井住友銀行

三井住友銀行からメールが

ある日の事、三井住友銀行から唐突にメールが来ました。それはこんな内容でした。

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【差出人】三井住友銀行 <smbc_info×msg.smbc.co.jp>
【件 名】【重要・緊急】入出金を規制させていただきました…などのメールは詐欺です
【内 容】
お客さまの口座の入出金を規制させていただきましたので、お知らせします。
本人確認後、制限を解除することができます。

などの内容で偽のログイン画面に繋がるボタンやリンクをクリックさせ、その画面に暗証番号等を入力させてお金をだまし取る詐欺メールやショートメッセージ(SMS)が急増しています。
当行から「入出金規制」「不正利用」等と不安をあおったメールやSMSを送り、文中に記載されたボタンやリンクからログイン画面に誘導することは絶対にありません。
これらのリンクには絶対にアクセスしないでください。

なお、本メールはお客さまの詐欺被害防止を目的として、詐欺メールの実態をより一層ご理解いただくために、実際の詐欺メール同様の文言を一部に記載しております。
また、重要なお知らせのため、商品・サービス情報の配信を希望されていないお客さまにもお送りしております。

【発行】
株式会社 三井住友銀行
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号
登録金融機関 関東財務局長(登金)第54号
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えーっ! 規制されちゃったの!? 急いでログインして個人情報を入れないと!
……ってあれ? リンクが記載されてないぞ? しかもよく読んでみるとこういうのは詐欺メールだって言ってるぞ。どういう事なの?

今回はこのメールについて調べてみたいと思います。

このメール、なんと本物でした

結論から言ってしまいますが、このメールは正真正銘本物でした。
何故そう言い切れるのか? まず第一に、メールアドレスのドメインが「smbc.co.jp」となっている事が挙げられます。これまで筆者の所に来た詐欺メールは「ynmzsb.com」など正規のメールアドレスには程遠いドメインでした。しかし、今回はシッカリと「smbc.co.jp」から来ており、この時点で信用できると言えます。

次に「リンクが無い事」も大きなポイントです。リンクが掲載されていないという事は、別サイトへ飛べないという事であり、詐欺メールの目的が詐欺サイトに誘導する事を考えるとリンクが無いという事はありえません。しかし、本メールにリンクはありませんでした。つまり、別サイトに誘導する意思が無いという事です。

内容も「などの内容で偽のログイン画面に繋がる(中略)詐欺メールやショートメッセージ(SMS)が急増しています。」と危険を促しています。詐欺メールならそんな自爆的な事は書かないでしょう。

これらの事から、このメールは「本物」と断言できます。

このメール、アリか無しか

このメールについてはSNSやネットメディアなどでも取り上げられており、「本物が詐欺っぽいメールを送るのが面白い」などと言った「賛」の意見から、「まぎらわしいメールを送らないでほしい」と言った「否」の意見も見受けられました。

筆者個人としてはこういうメールは「アリ」だと思います。実際に使われた文言を使う事で関心を高め、そこから「こういうのは詐欺です」と繋げる事で強く意識させる手法は有効だと感じました。

実際、詐欺メールは何の前触れもなく来ます。でも、これを読んだ皆さんなら、もしも「本物の詐欺メール」を受け取っても冷静に対処できるはずです。