エアコンの温度は何度?

この記事を書いているのは2022年6月29日。6月だと言うのに連日、うだるような猛暑が続いており、電力不足が日々心配されています。
そんな今、政府の呼びかけなどで頻繁に耳にするのが「エアコンの温度は28℃にしてください」というモノ。筆者もそれに従い、エアコンの温度は28℃にしています。
でも、何で28℃なんでしょうか? どこかの専門家や科学者がキチンとした実験や検証をして導き出したモノなのでしょうか? 実はこの「28℃」には科学的な根拠が無いって知ってました?

エアコン28℃に科学的な根拠は無い

筆者はネットを中心に調べてみましたが、誰が言ったのか、どういった基準で28℃としたのか、これらをハッキリと示すモノを見つける事はできませんでした。どうやら、「エアコン28℃」というモノにシッカリとした根拠は無いようです。

とある記事によると、2017年に当時の法務大臣が「科学的な知見をもって28℃を決めたわけではない。なんとなく28℃と言って、それが独り歩きしている」と言ったそうです。また、当時の官房副長官は「人によっては暑いとも感じる。根拠のあるデータに変えていこう」と言っていたそうですが、結局現在まで結局話し合いは行われておらず、28℃の独り歩きが続いています。

確かに、冷静に考えれば28℃って決して涼しくはないですよね。25℃を超えたら「熱帯夜」と言われるわけですから、そこから3℃も高いのに「適切」とは、不思議と言えば不思議です。

何故こんなにも浸透したのか?

このような感じで実は根拠のない「エアコン28℃」。しかし、日本人の多くがこの温度を適切と信じて疑っていないのが現状です。何故、こんなにも浸透してしまったのか?
最大の原因は冒頭にも挙げたように政府や自治体がエアコン使用に関して何か言う時に繰り返し「28℃に」と言ってきた事でしょう。筆者でさえ数十回は見聞きしてきたと思います。これだけ聞かされれば「28℃が適切なんだな」と思ってしまうというモノです。

そして、個人的にはコチラの方が大事だと思うのですが、「実際、28℃を適切と感じている人が多くいる」という事も挙げられるはずです。30℃だと暑い、でも23℃だと寒い、28℃が正解なんだ、と(例え事前に28℃が適切だと言われ続けていたとしても)実際にエアコンを操作して自分で感じたら、もう疑う事は無くなってしまうわけです。
もちろん、28℃では暑いと感じる人もいるでしょうが、平均的な部分をとったら28℃というのは存外間違いではなかったのかもしれません。