栄枯盛衰のゲーム業界

スマホやパソコンが「ゲーム機」として認知されてからかなりの年月が経ちました。「モンスト」や「パズドラ」のように長く続くタイトルや「ウマ娘」などの新興勢力も人気を博し、まだまだ群雄割拠の時代は続いています。
そんな中、あまり話題にもならず、ひっそりと消えていくゲームもまた数多く存在しています。1年持てば良い方で、なかには半年・数ヶ月で消えていくゲームもあります。開発には数年かかったであろうに……。

今回は、そんな消えていったゲームの中でも「悪い意味」でおおいに話題になったゲームを1本ご紹介したいと思います。

幻のMMORPG「カオスサーガ」

「カオスサーガ」は、中国で開発されたパソコン向けブラウザゲームです。中華圏では「诸神黄昏」という名前で展開されており、日本では株式会社ブライブがローカライズ及びサーバー運営を行い、オンラインゲームサイト「DMM GAMES」を通して提供されました。
ゲームとしては斜め視点固定型のよくあるタイプの3DアクションRPGでしたが、グラフィックは良く、そこそこ期待されていました。

2016年11月15日12時30分にサービスを開始。登録者は1万人前後で、最初はそこそこ盛り上がっていました。が、翌日の11月16日10時30分に突然緊急メンテナンスが入り、プレイできない状態に。
そして、そのままメンテナンスが終わる事は無く、11月16日15時になんとサービスが終了してしまったのです。

サービス開始から終了まで約26時間。実際にプレイできた時間は21時間。公式ツイッターのツイート数はわずか3。1日も遊べなかったゲームとして、ゲームの歴史に(悪い意味で)名を残す事になってしまったのです。まさに「カオス」な作品だったと言えます。

どうしてこうなった?

一体、何故こんな事になってしまったのか? 答えは「パクリ疑惑が浮上したから」というモノ。
キャラクターやモンスターのグラフィックがスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXI」に登場しているモノと姿形がソックリとの報告がサービス開始時点から多数挙がっており、どうやらそれを調査する為にメンテナンスが行われたようでした。
その後、調査の結果、「パクリ」が間違いない事実として認定され、修正も難しいと判断されたようで、そのままメンテナンスが終わる事無くサービスが終了してしまったのです。
株式会社ブライブは今回の件を謝罪し、まさに「カオスサーガ」は幻となって消えたのでした。ちなみに中国で展開されている「诸神黄昏」が今も続いているのかは分かりませんでした……。

消えると残らないゲーム

筆者はアラフォー男で、ゲームはコンシューマ機のパッケージ版を最優先で買う人間です。アプリゲームなどもやりますが、本数は少なく2~3本程度、時間が空いた時にちょっとだけやるって感じです。
理由はやはり「消えたら何も残らないのが寂しいから」です。冒頭に書いた通り、パッケージ版はハードとソフトさえ生きていれば、開発元がどうなろうとプレイし続ける事ができます。自分が楽しんだゲームが現物として残るのが嬉しいんですよね。「積み上がっていく」感じがあるわけです。それが無いゲームはどうも虚しさを感じちゃうんです。

とは言え、今はそういうゲームが大人気で、きっとそれは今後もっと増えていくと思います。
考え方を変えなければいけないのかな、とちょっとだけ考える毎日です。