iPhoneの顔文字に抗議

iPhoneで「stammering(吃音)」と入力すると、にやけたような、酔っぱらった人の顔文字が出てきます。これに対して吃音者を支援する団体から抗議の声が上がっているとの事です。

吃音とは?

「吃音(きつおん)」とは、言葉が正しく出てこない、スムーズに出てこない症状の事を言います。
一昔前は「どもり」と言われていましたが、現在この言葉は放送禁止用語となっており、メディアなどで「どもり」という言葉が出てくる事はまずありません。

実は筆者も小学生の頃までは吃音に悩まされていた1人で、「どどどどどどうして」とか「こここここれは」と言ったように、言葉がうまく発音できませんでした。それに対してちょっとですが虐められた事もありました。
中学生に上がる頃には自然に治っており、それ以降吃音に悩まされる事は無くなりましたが、現在の調査では、世界の子どもの8%が何らかの理由で吃音症状が出ており、大人になっても3%の人が吃音で悩まされていると言います。

抗議の声

iPhoneで「きつおん」と入力すると、変ににやけた顔文字が変換リストに出てきます。これは「Woozy Face(酔っ払った顔)」と言われており、まるで吃音者を揶揄しているかのようにも受け取れます。
これに対して、イギリスの吃音者協会「STAMMA」が抗議の声明を発表しました。

STAMMAの最高経営責任者(CEO)ジェーン・パウエル氏は「吃音は話し方の問題。それをジョークとして扱うのは侮辱になります」とコメントしています。

なお、筆者はAndroid利用者で、Android端末の場合、「きつおん」と入れても「stammering」と入れても、顔文字は出てきませんでした。

あらゆる差別が無くなる時まで

現在、世界中であらゆる差別を無くそうとする動きが活発化しています。特に今は男性女性と言った「性差別」、アジア人黒人と言った「人種差別」に対して厳しい目が向けられています。これが原因で有名会社の広告が撤去されると言った事態も起こっています。
今回の件に関して、Appleはまだこれと言った発表はしていません。しかし、世界中で使われているiPhoneなので、何らかの動きがあるのではないかと思われます。