任天堂が違法ROMサイト相手に裁判を起こす

2019年、任天堂のアメリカ法人「ニンテンドーオブアメリカ」が、違法にROMデータを配布しているサイトに対して裁判を起こしました。
「ROMデータ」とは、簡単に言うと「ゲームのデータ」の事で、「エミュレーター」と呼ばれるパソコン上でファミコンやスーパーファミコンと言ったゲームをプレイできるツールを使う事で、ゲームが楽しめるというモノ。
実際にプレイできるゲームデータの配布は違法行為であり、ゲーム自体の売り上げにも関わる為、近年取り締まりが厳しくなっています。

任天堂が起訴したのは「RomUniverse」というサイトで、NintendoDSやWii、PS、PS2と言った様々なゲームのデータが無料で配布されていました。ニンテンドーオブアメリカはこのサイトの管理人であるMatthew Storman氏に対して、著作権侵害・商標権侵害と言った理由で合わせて16億4000万円の損害賠償を請求しました。

任天堂勝訴!その支払期間が凄い!

そして2021年6月、この裁判に決着がつきました。金額は大幅に減り、2億5,000万円となってしまいましたが、任天堂側が勝訴。Matthew Storman氏はこのお金を支払う事になりました。
しかし、サイトが閉鎖され、Matthew Storman氏は「無職」となってしまった為、「毎月50ドル、それを3500年間支払い続けるように」という、驚きの形になりました。

3500年間、同じ人物がお金を支払う事は人間の寿命から見ても当然不可能です。これは「見せしめ」と言えます。
任天堂側はこれで利益を得たいのではなく、こういう形にする事で他の違法サイトの管理人たちに「サイト運営をやめるように」という圧力をかけたいのだと思われます。

支払い一切無し!そこで任天堂は?

が、Matthew Storman氏は1回目の支払いにすら対応せず、現在1ドルのお金も支払われていないようです。
そこで任天堂は新たに起訴を起こしました。その内容は「今後、永遠にサイトを復活させてはならない(恒久的差し止め)」というモノ。実は前回の裁判では「サイトの恒久的な差し止めは出さない」という事になりました。つまり、やろうと思えばサイトを復活しても良いというのです。
サイトは復活していませんが、Matthew Storman氏が1ドルも支払わない為、任天堂側もキレて「なら、永遠にサイトやるなよ!」と新たな裁判となったのです。
現在、この裁判はまだ続いています。

ROMサイト一掃はできるのか?

現在、「RomUniverse」は検索しても出てきません。しかし「RomsUniverse」(Romの後ろにsが付いてる)というサイトは存在し、ゲームデータが無料でダウンロードできる状態になっています。他、探せば様々なRomサイトが見つける事ができました。
ネット上での違法行為はいたちごっこ状態と言えます。今回の件がこの状態に変化をもたらすのか、気になる所です。