電力需給ひっ迫注意報発令

2022年6月27日、資源エネルギー庁は「東京電力管内の電力需給が厳しくなる」として、「電力需給ひっ迫注意報」を発令しました。翌日28日も警報は継続して発令中で、これにより、多くの場所で「節電」が行われる事態になっています。

電力需給ひっ迫注意報

「電力需給ひっ迫注意報」は電力の予備力(余力)が5%を下回ると予測されると発令される警報です。猛烈な暑さを和らげる為にエアコンなどを使用する事で電力が足りなくなり、大規模な停電などを起こる可能性があります。それを周知して、未然に防ぐ意味があります。
2012年から運用が開始され、2022年3月に初めて発令されました。

何故、電力が足りなくなるのか? それは暑さなどで使われる電力が増えるからですが、そもそも電力の供給方法が変化しつつある為です。東日本大震災の影響で電子力発電所の稼働が難しくなり、更に昨今の「脱炭素」などの国際的な動きにより火力発電も以前よりは規模が縮小されています。
代わりに増えたのが太陽光などを使った「再生可能エネルギー」です。しかし、再生可能エネルギーはまだまだ発展途上で、火力発電などに比べると電力が安定せず、必要な時に必ずしも供給できない場合もあります。

そう言った事が重なり、今回の「電力需給ひっ迫注意報」の発令となったのです。

やればできるのか?

6月27日は、予想では使用電力は99%になるとされましたが、結果は93%。幸いにも大規模停電などは起きませんでした。街では看板やショーケース、オフィスのライトなど、カットできる部分はカットされ、各家ではエアコンの設定温度を上げるなどの対策をとった事で回避できたのではないかと思われます。
筆者もスーパーに行った際、ケースのライトが消えているのを見ましたし、家のエアコンは普段は22℃設定ですが、28℃に変えました。正直に言うと、28℃にしてもそれほど暑くなったとは感じませんでした。

筆者個人としては「やればできるモノなんだな」と素直に驚きました。「カットしても一応は問題無し」という部分片っ端からカットする事で、99%と予想されていたモノを93%にまで下げられたのは素晴らしいと思います。
逆を言えば、普段我々がどれだけ電気を(無駄にとは言いませんが)盛大に使っているかが浮き彫りになったとも感じました。

この記事を書いている6月28日も関東を中心に猛烈な暑さになると予想されており、「電力需給ひっ迫注意報」は継続して発令されていますが、1人1人が意識して行動を起こせば、大規模停電のような心配は(とりあえずは)今後もしなくていいのではないかと思っています。
まあ、だからと言ってこの地獄のような暑さは1日でも早くいなくなってほしいですが。

今こそ変わる時なのか?

環境破壊、地球温暖化問題はずっと前から指摘されていましたが、世界の国がみな足並みを揃えて一丸となって対応するのはそれぞれの国の事情もあり、非常に難しいものでした。
しかし、筆者が子どもの頃に比べて間違いなく夏は暑くなり、そしてゲリラ豪雨などの異常気象も増えていると感じます。もはや「のっぴきならない状況」なのかもしれません。
今こそ、変わる時なのかもしれません。むしろこの機会を「良い機会」だと捉えて、節電・電力の変化に対応してみてはいかがでしょうか?