ダークパターン

ダークパターンを知ろう

皆さんは「ダークパターン」という言葉をご存じでしょうか? 例えこの言葉を知らなくても、普段インターネットを利用している人なら一度はダークパターンに触れた事があるはずです。
ダークパターンがどういうものなのかを理解している、もしくは意識していれば、これまでなら損をしてしまうような場面も切り抜けられるかもしれません。同じ場面を見ても、それが何なのかを知っていると知らないとでは全然違うのです。
今回の記事ではダークパターンについて解説しようと思います。

ダークパターンとは?

「ダークパターン」とは、ウィキペディアによると「ユーザーを騙すために慎重に作られたユーザーインターフェース」とあります。これだけだとちょっと分かりにくいですよね。
分かりやすい例を言うと、月額500円と1000円のコースがあるWebサイトの会員登録画面で、最初から1000円の方にチェックが入ってると言った事です。この場合、そのまま会員登録を進めると1000円コースに入会する事になってしまいます。サイト側は高いコースに入ってくれるので有益ですが、500円コースに入りたかったユーザーからすれば、わざわざ1000円コースのチェックを外して500円コースにチェックを入れないといけません。

このように「(知らず知らずの内に)ユーザーにとって意図しない行動へと誘導するサイトデザイン(ユーザーインターフェース)」をダークパターンと言います。

ダークパターンの例

ダークパターンは↑に紹介したパターンを始め、実に多くの種類があります。以下にいくつか例を列挙します。

・退会ページが非常に複雑で、簡単には退会できない
・値引きされていないのに「通常価格の50%OFF」などと書いてある
・「はい」のボタンが大きく、「いいえ」のボタンが極端に小さい
・「残り10個!」などのような購入を急かせるような文言がある
・ECサイトで購入手続き画面の最後の最後に突然「手数料」が出てくる

これは何も詐欺サイトだけがやっている事ではありません。誰もが知る大手企業も、大なり小なりこのような事をしています。
例えば、YouTubeです。動画を見てみると時々月額サービス「YouTubeプレミアム」の紹介ページが表示されます。このページは数秒間経ってからページを閉じる「×」ボタンが出てくるので、最初の数秒は絶対にこのページを見ないといけません。これも立派な「ダークパターン」です。
また、Amazonもやっています。商品を購入する際「Amazonプライム」への入会が促されますが、「試す」は大きなボタンで表示されているのに、「試さない」はボタンではなくテキストリンクになっており、明らかに「試す」よりも目立ちにくい表示になっています。これも「ダークパターン」です。

とある調査によると日本国内で配信されているショッピング、ゲームなどの主要アプリの実に90%にダークパターンのデザインが使われているという結果も出ており、知らず知らずのうちにサイト側に有利な選択をさせられているのかもしれません。

ダークパターンに騙されないために

本来ならばダークパターン自体が無くなる事がベストですが、利益を優先する企業がいる限り、無くなるという事は残念ながら無いと思われます。また、ダークパターンは数多くの種類がある為、絶対に引っかからない方法というモノもありません。
大事なのは「キチンと意識して行動する」という事。その場その場で出た情報に翻弄されず、初志貫徹する事です。

500円コースに入りたいと思ったのなら、1000円コースのチェックを外し、キチンと500円コースにチェックを入れるのです。値引きや期間限定などに惑わされずに欲しい物を買えばいいのです。手間はかかりますが、これはもう仕方がない事だと諦めるしかありません。それが嫌なのなら、もうそのサイトは利用しない方が良いでしょう。

今やインターネットを利用しないで生活するのは難しい時代です。損をしない為にはキチンと知識を得る事が大事です。皆さん、気を付けましょう。