保険証が無くなる?

病院に行く際などに必要となる「保険証」。保険証が無ければ、病院での費用は全て利用者負担となってしまいます(保険証があれば一般的には3割負担)。また、保険証は身分証明書としても利用する事ができます。
その為、ほとんどの人が保険証を持っていますが、その保険証が近い将来無くなるかもしれません。一体どういう事なのでしょうか?

マイナンバーカードと一体化

厚生労働省は5月25日に健康保険証をマイナンバーカードと一体化させる「マイナ保険証」の普及策を議論する社会保障審議会の部会を開きました。この部会で、マイナ保険証に対応する為の機器整備を令和5年4月から医療機関などに義務付けさせ、将来的には、保険証の「原則廃止」を目指す方針を提案しました。

現在、国が力を入れている事業として「マイナンバーカード」があります。国民のあらゆる情報をマイナンバーカードに集約させる事で、行政のスマート化させるという目的です。
現在、車を運転するには「運転免許証」が、病院での費用を減額するには「健康保険証」が、それぞれ必要になります。つまり、車で病院に行くならば、どちらも持っていなければいけないわけです。
そういった面倒臭さを排除し、何をするにもマイナンバーカード1枚だけで事が済むようになれば利用する側も便利、という算段なわけです。

今でも一体化はできるが…

2022年5月26日現在、既にマイナンバーカードを保険証として利用できる、つまり一体化する事は可能です。マイナンバーカードのポータルサイト「マイナポータル」に行けば、その詳しいやり方などが載っています。
一体化できれば、引越や転職をしても新たに発行する必要も無く、マイナポータルから処方された薬剤情報や医療費の確認などが行えます。

しかし、問題は医療機関側です。医療機関側で「マイナンバーカードを保険証として使う」システムが浸透しておらず、一体化したカードを渡しても「ウチは対応してないんで…」と断れてしまう場合があるのです。

この部会で、日本医師会の担当者は「唐突で当惑している」と言い、機器整備の義務化に反対。他の医療関係者からも「マイナ保険証を持ちたいと思える環境をつくらなければ効果は小さい」と心配する声が上がったとの事。
要は「いきなりそんな事言われても…」という事なのでしょう。

気持ちは分かるけど…

ここからは筆者の個人的な意見となります。

医療関係者らの気持ちも分かります。これまでずっと続いていた制度を変えるのはお金も時間もかかりますから、あまり取り組みたくはないですよね。詳しくは分かりませんが、機器の整備費用を病院側が負担するなら、そりゃ反対もしたくなります。
しかし、こういった事をいつまでも言っているから、日本のIT技術は進まず、今でも役所ではフロッピーディスクなんて遺産が使われてるんじゃないの? とも思います。

こういう時こそ、国が主導してやるべきなんじゃないかと強く思います。「費用は国が全部持つからパパッとやっちゃおうゼ!」となれば、頼もしいんですけどね。

【サイトはコチラ】
https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html
画像引用:デジタル庁