プレミアムフライデー

プレミアムフライデー公式サイト閉鎖

「プレミアムフライデー」という言葉を覚えていますか? 一時期ちょっとだけ話題になりましたが定着はせず、2023年6月、ひっそりと公式サイトが閉鎖されました。現在は経済産業省のホームページの中にプレミアムフライデーのページがありますが、5月で更新が途絶えており、力が入れられていないのは間違いありません。

プレミアムフライデーは何故失敗したのか? 筆者個人の考えを含めつつ考察したいと思います。

プレミアムフライデー

「プレミアムフライデー」は2017年2月から始まった個人の消費を喚起するキャンペーンです。主導したのは経済産業省、つまり「国の政策」になります。毎月の最終金曜日を「プレミアムフライデー」と呼称し、様々なイベントやセールを行い、個人消費を増やそうとしたのです。

始まった当初こそ大手飲食店が割引サービスを行ったり、スーパーで割引きセールが行われたりと、そこそこの盛り上がりを見せたものの、実際に参加した企業はわずか3%、プレミアムフライデーのお陰で早く帰れた社員がいた企業は10%前後と、大きな流れにはなりませんでした。

そして、2020年に新型コロナウィルスによる世界的パンデミックが起こり、キャンペーンは中断。3年後の2023年に再開されたものの、ムーブメントは完全に過ぎ去っており、メディアに取り上げられる事も無く、公式サイト閉鎖という事になりました。

何故失敗したのか?

様々なメリットがあるセールやイベントが行われる事自体は決して悪い事ではなかったと思われます。なのに、どうして上手くいかなかったのか?

最も大きな理由と言われているのが「時期」です。一般的な企業にとって月末の金曜日は収支の確認などで最も忙しい時期です。特に2回目のプレミアムフライデーは3月31日、多くの企業が「年末度」としている日でもあり、そんな忙しい日に早めに帰社してエンジョイなんてできなかったわけです。2回目からそんな事になってしまったので、印象が悪くなってしまったのだと思われます。
また、そもそもの話として、そんなキャンペーンをしても仕事量自体は変わらないので、「忙しくて参加できない」と言った企業が多かったという事情もあると言われています。

国だけが悪いのか?

※ここからは筆者の個人的な意見です。

こういった事になると、メディアなどは「国民の事情を知らない国の愚策」などと批判的な意見を多く報道します。確かに実施日など、もっとよく考えるべきだったとは思います。国の政策が完璧だったとはとても思えません。ただ、その一方で、「国の政策はいつもこうだよな…」と、政府のやる事をやたら批判したがる我々も少なからずいるのではないかと思うのです。

メディアで政府に関する報道がされる時、筆者の体感では大抵が批判的な内容です。ある程度意図的に批判的な報道だけを流しているんだとは思いますが、見る側からすれば「政府のやる事は全て良くない」と言った風に見えるわけです。
それに影響されて、今回のプレミアムフライデーも「月末金曜日に早く帰れるわけないだろう!これだから国の政策は国民無視なんだ!」みたいな‟反発的な気持ち”が出来上がってしまった事も、定着しなかった理由の1つだと思うのです。

しかし、日々を豊かなモノにする事は、本来は我々一人一人が考えるべき事です。プレミアムフライデーはあくまでそれを‟後押しする”企画でしかありません。
「できるわけねえだろう!ったく!」と頭ごなしに批判して参加しないのではなく、「どうやったらプレミアムフライデーに参加できるだろうか?」という考えで動いていれば、もしかしたら少しは変わっていたんじゃないかと思うのです。

幸い、プレミアムフライデー自体が消えたわけではありません。もしかしたらこれから再び盛り上がっていくかもしれません。その時、「参加できるわけない」と最初からソッポを向くのではなく、「こうすれば参加できるかも」と思って行動する事で、何かポジティブな事があるかもしれませんよ。

【サイトはコチラ】
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/service/premium-friday/index.html