マイナーだけど面白いゲーム

技術の向上により、今や実写のような映像を実現できるようにまでなったテレビゲーム。ただ、色々なゲームをプレイした筆者から言わせてもらうと「映像がキレイ=面白い」ではありません。もっと言えば「新しいゲーム=面白い」というモノでもありません。古くても面白いゲームはたくさんあります。今、レトロゲームが注目されているのは、そう感じている人が多いからなのではないかと思います。

そこで今回は、筆者が子どもの頃プレイし、今でも鮮明に記憶している個人的名作ゲームをご紹介したいと思います。

弁慶外伝 沙の章

弁慶外伝 沙の章

「弁慶外伝 沙の章(べんけいがいでん すなのしょう)」は、1992年にスーパーファミコン向けに発売されたRPGです。開発・販売はサンソフト。
1989年にPCエンジンで発売されたRPG「弁慶外伝」の外伝的な位置づけの作品ですが、そちらとの繋がりは無く、筆者もそちらはプレイした事がありません。

物語は鎌倉時代に実際に起こったモンゴル帝国による侵略「文永の役」をベースに、皇帝フビライ・カンが日本に送った妖怪達と戦う者達を描いたフィクションストーリーとなっています。
ゲーム全体のシステムとしては「和のドラクエ」とも呼べるもので、フィールドを歩いて敵と戦い、経験値とお金を手に入れて武具を揃えて強くなり、ダンジョンなどを進んでいくという、一般的なRPGと大きく変わらないものの、「和」の要素が非常に強い事、地味ながら様々な試みがある事が挙げられます。

良かった点

①戦闘ビジュアルを変えられる事
個人的に一番印象に残っている部分です。初期の「ドラクエ」と同じように、敵だけが表示され、味方は表示されずにテキストのみというスタイルの他、味方の姿が表示され攻撃する様子がアニメーションで見れるというスタイルを選ぶ事もできます。特に後者の出来がとても良く、見ているだけでも楽しかった記憶があります。戦闘のテンポも非常に良く、ストレスも一切無し。
更に、全員で一斉に攻撃するコマンドなどの特殊なコマンドも用意されており、単なるフォロワーにとどまらない工夫をしていたと感じました。

②和の要素が強い
スーパーファミコンのゲームはまだまだ「漢字」が使われる事は少なめでしたが、本作はたっぷりと漢字が使われており、「和」の雰囲気がとても良く出ていました。現実問題として、漢字がある事でテキストも読みやすかったですしね。
「和」の要素は音楽にも徹底されており、それでいながら適度にポップで聴きやすかったです。

③主人公の性別を変えられる
主人公は基本男性ですが、ゲーム開始時点で女性に変更する事もできます。仲間間の恋愛ドラマは無いし、ストーリー自体は変わりませんが、ビジュアルもシッカリ表示される為、ちょっと華やかな感じがして好きでした。

④ヒロインが〇リ
本作は主人公を女性にしない限り、仲間になる女性は鳴沙(めいさ)ただ1人です。通常、ヒロインは年頃の女性である事が一般的ですが、本作のヒロイン鳴沙はかなり幼い見た目で、ぶっちゃけて言うならロ〇キャラです(笑)。ヒロインが〇リって珍しいなと思いましたね。仲間になるのが微妙に遅いのが気になりましたが。

気になった点

①エンカウント率が高い
歩く速度は遅いのにやたらとエンカウントする為、進行が遅くなりがちです。2~3歩でエンカウントする事も珍しくありません。当時のRPGには大なり小なりこの傾向がありましたが(大貝獣物語とか)、本作はかなりひどい部類です。
もう少しエンカウント率は下げてほしかったです。

②舞台が中国に移る事
ゲームを進めていき、あるイベントをクリアすると舞台が日本から中国に移ります。そうなると二度と日本に戻る事はできず、また中国編はフラグ立てがやたら難しく、ストーリーを進めるのに非常に苦労します。
個人的には中国編はあまり楽しめた記憶が無く、日本だけで話を終えた方が締まりが良かったんじゃないかなと思います。

③弁慶が脇役
ゲームのタイトルになっているにも関わらず、弁慶は中盤からしか登場せず、しかも戦闘には参加するもののプレイヤーは操作できません。ストーリー的出番はあるものの、あくまで脇役であり、メインは主人公です。
「弁慶外伝」というタイトルが合っているのか正直疑問に感じましたね。

総評

ストーリーが進めにくい、エンカウントが高いなど不満点もあるものの、基本はオーソドックスなRPGであり、戦闘のテンポなどは非常に良いので、RPG好きなら十分楽しめると思います。
ただし、現時点では移植などが一切されていない為、プレイしたい場合はゲームソフトとスーパーファミコンを用意しないといけません。

最近、サンソフトが活動を再開させたらしいので、できれば本作もPS4やSwitchで配信とかしてくれると嬉しいんですが……まあ、難しいだろうなぁ。