魔神英雄伝ワタル外伝

マイナーだけど面白いゲーム

技術の向上により、今や実写のような映像を実現できるようにまでなったテレビゲーム。ただ、色々なゲームをプレイした筆者から言わせてもらうと「映像がキレイ=面白い」ではありません。もっと言えば「新しいゲーム=面白い」というモノでもありません。古くても面白いゲームはたくさんあります。今、レトロゲームが注目されているのは、そう感じている人が多いからなんだと思います。

そこで今回は、筆者が子どもの頃プレイし、今でも鮮明に記憶している個人的名作ゲームをご紹介したいと思います。

魔神英雄伝ワタル外伝

「魔神英雄伝ワタル外伝」は、1990年にハドソンから発売されたRPGです。当時、人気だったテレビアニメ「魔神英雄伝ワタル」を題材とした作品です。
主人公はワタルではなく、オリジナルです(自分で名前を決める)。ワタルは敵に捕まっており、それを助けに行くというストーリーになっています。シバラクやヒミコなど、原作アニメに出てくるキャラクター、ドンゴロと言った敵なども出てくるものの、基本的にはオリジナルのストーリーです。
戦闘は人間ではなく魔神(マシン)に乗って戦います。最初は龍神丸だけですが、話が進むと戦神丸や幻神丸に乗り替えができるようになります。また、本作オリジナルの雷神丸という魔神も出てきます。

小学生の頃、「ワタル」は見ていましたが、正直何故ゲームにまで手を出したのかは覚えていません。しかし、これが見事にドハマりしてしまい、今でもたまにプレイするほどお気に入りの1本となったのです。

良かった点

①戦闘がアクションだと言う事
おそらく本作の一番の特徴だと思います。本作は街で武具を揃えて、フィールドやダンジョンを歩いて敵と遭遇して……と、一般的なRPGと同じスタイルなんですが、戦闘はコマンド式ではなく、Bボタンで攻撃、Aボタンでジャンプと言った感じのアクションゲームになります。初期の「テイルズ」シリーズと同じ感じと言えば分かりやすいかと思います。
これが子どもの頃は非常に斬新に感じられたんですよね。基本は剣で攻撃するだけですが、魔法を使う事もでき、敵の攻撃も実に多彩。また操作性も非常に快適で、敵の素早い動きにも対応できます。この戦闘スタイルのお陰で、最後まで飽きずにプレイする事ができたんだと思います。

②BGMが良い
オリジナルの曲はEDくらいしか使われていませんが、どの曲もメロディがハッキリしていて、25年以上経った今でも覚えています。敵とのバトル曲も出会った場所によって変わるという工夫がされており、良かったと思います。

③舞台が豊富
草原や雪原、海岸、ジャングル、沼地、砂漠など、舞台がかなり目まぐるしく変わり、飽きが来ません。ストーリーも結構ガンガン進んでいくので、「また同じ事やるのか…」という気持ちにならないんです。これも良かったと思いますね。

気になる点

①一部理不尽な敵やダンジョンがある
本作には一部、凶悪な強さの敵や、非常に腹立たしい仕様のダンジョンなどがあります。
強い敵で言えば、何といっても後半に出てくる「ドラゴン」でしょう。ラスボスをも軽く上回る炎攻撃はコチラを一撃で死に追いやる威力があり、挫折しかかった人も多かったと思います。筆者も10回以上はやられました。
理不尽なダンジョンで言うと、最終盤に訪れる「最後の塔」。非常に長い上に、1歩歩くごとに敵が出てくるという回廊があり、非常にイライラします。
せめてドラゴンはもうちょっと弱めにしてほしかったです。

②オートセーブがややウザい
本作は宿屋に泊まる事で自動的にセーブが行われますが、それで中断してゲームをやめないと、お金が少し減るなどのペナルティを受けます。大した金額ではないんですが、これがちょっとウザかった。また、ラスボスを倒すと自動的に2週目(敵の強さ1.5倍)に行ってしまうのもどうかなと。そのままのデータで世界中を旅したかったんだけどな……。

今やりたい人は

残念ながら、現行の機種でプレイする方法はありません。やりたい場合は、ゲームショップやメルカリなどで現物を手に入れて、ファミコンで遊ぶしかありません。
という事で、今は非常に不遇な作品と言えますが、ゲームとしてはとても意欲的で面白い作品だったと思います。もしもプレイする機会があれば、ぜひとも楽しんでもらえたらと思います。