天穂のサクナヒメのレビュー記事

天穂のサクナヒメ、クリア

「ゲーム史上、最も本格的な稲作ができる」として販売直後から話題になった「天穂(てんすい)のサクナヒメ」を筆者がプレイ、約30時間かけて見事クリアしました。
正直言うと、筆者は「稲作ができる」という部分ではなく、2Dっぽい感じのバトルが面白そうという理由でプレイしてみたんですが、稲作も想像以上に面白く、ドップリとハマってしまいました。
この気持ちをお伝えせずにはいられないという事で、感想を書かせていただきたいと思います!

天穂のサクナヒメ概要

「天穂のサクナヒメ」は2020年にPS4・Nintendo Switch・PC用として発売されたゲームソフトです。開発は同人ゲームサークル・えーでるわいす、販売はマーベラスが担当しています。なんでも基本の制作スタッフはわずか2人で、多い時でも10人程度。発売までに5年もかかったと言われています。
物語は、昔の日本をイメージした架空の国ヤナトを舞台に、豊穣の神であるサクナヒメが、神の住む世界に迷い込んでしまった人間達とイザコザを起こしてしまい、その罰として鬼島と呼ばれるヒノエ島の調査を命じられ、仕方なく島を調べながら人間達と暮らしていく、というモノ。
ゲームの流れは「我が家」で米を育てながら、様々なダンジョンを探索していくという2つのパートを交互に行っていきます。ダンジョンで素材を手に入れ、それで米作りを有利に進めたり、強力な武具を作っていく事でサクナが成長。更にダンジョンを探索していけるようになる……という形でゲームは進みます。
サクナは敵と戦っても強くはなれず(レベルは上がらず)、米を育てる事で強くなっていきます。キャッチコピーである「米は力だ!」は、このゲームの事をとても的確に表していると思います。

良かったと思ったポイント

天穂のサクナヒメのレビュー記事

●バトルが爽快感満載で超楽しい
本作と言えば「稲作」ですが、個人的にはコチラを強くお勧めいしたい。本作は稲作をしつつ、様々なダンジョンを探索します。ダンジョンは2D風の横アクションパートになっており、これが実に楽しかった。様々な技を駆使して敵をまとめて吹き飛ばすのが大変気持ち良く、良い意味でSFC時代のアクションゲームを思い出しましたね。この気持ち良すぎるバトルも評価されていいと思います。

●超本格的な稲作
やはりココを外すわけにはいきません。田起こしから始まり、田植え、中干し、脱穀、籾摺り、更に肥料作成に病気対策など、他のゲームだったら「稲を植えておしまい」程度であろう工程が、本作では超がつくほど本格的に描写されており、その作り込みは半端じゃないレベルです。
前述した通り、本作は「敵を倒して経験値をゲットしてレベルアップ」というシステムではなく「米を作る事でレベルアップ」というシステムの為、ゲームを進める為には何十回と米作りをしなければならないのですが、それでも飽きが来なかったのは稲作が本格的だったからだと思います。

●個性的で魅力的なキャラクター達
登場キャラクターは決して多くはないですが、サクナヒメを始め、皆とても個性的で愛着が湧きました。特にわがままだったサクナが様々な経験を積んで成長する様は実に良かったですね。声優の大空直美氏の声も、これ以上ないほどマッチしていたと思います。
個人的には「かぐや様は告らせたい」の四宮かぐや役で有名な古賀葵氏の方言ボイスが可愛かったゆいが好きでした。あと、テンションが上がると「ぐふふ」と笑うココロワヒメも可愛かったな(笑)。

●時間制限が無かった事
メニュー画面には「〇〇年目」と出るので、てっきり「〇〇年までにクリアしなければいけない」と言った時間制限が設けられているのかと思ったんですが、そういった事は一切無し。キャラクターが年をとる事も無いので、極端な話、100年でもプレイ可能です。ちなみに筆者は17年くらいでクリアしました。
更に毎日夕餉(食事の事)をとるシーンがあるんですが、例え食材が無く、水しか飲めなくても大きな問題は無し。数ヶ月水だけでも普通に生存できます(笑)。筆者はそれは可哀そうと思って、せっせと食材探しをしましたけどね!
時間制限があると追い立てられているような感じがして嫌いなんですが、それが無かったのは良かったですね。

気になったポイント

天穂のサクナヒメのレビュー記事

●微妙に不自由な操作性
筆者が最も気になったポイント、それはダンジョン探索での操作性の微妙な悪さ。特に探索に必須が「衣」が微妙に短く、上手く段差を超えられない事が頻繁にありました。また、岩の先まで行けると思ったら途中で落ちちゃったり、ジャンプで越せると思ったら出来なかったりと、微妙に思い通りになりません。慣れない内は何度も失敗すると思います。

●稲作の「正解」が分からない
前述した通り、稲作は非常に本格的なんですが、逆に言えば「どうやれば正解」なのかが非常に分かりづらく、私は最後の最後まで手探り状態でした。水は常にかけ流しにしてたんですが、それで良かったんですかね? 誰も教えてくれないんだもん……。
終盤には一回の稲作で白米999個を作れたので、間違ってはいなかったとは思うんですが、もう少しアドバイスが欲しかったですね。

●食事が重要ではない
食事シーンには非常に力が入れられており、見ていてとても楽しいモノではあったんですが、ゲームシステムという面から言えば、食事には「一時的なステータスアップ」以外の恩恵は無く、素のステータスが上がっていく後半になればなるほど意味が無くなってきます。筆者も後半は献立は特に気にせず、ミルテに任せっぱなしでした。
あれだけ力を入れていたんだから、もっとゲームシステム的にも意味のあるモノにしても良かったのではないかと思います。恒常的にステータスが上がるとかね。

●イベントが少なめ
ゲームを進めると、家のメンバーとの絆を演出するイベントが起きたりするんですが、正直数が少ないと感じました。特にミルテやかいまるのイベントはもっと増やしてほしかった。イベント以外は基本的にひたすら同じ事を繰り返すゲーム性であり、イベントが「ゲームが進んでいる」と最も感じる演出になる為、もっともっとイベントを用意しても良かったんじゃないかなと思います。

●ココロワヒメを騙したヤツは誰?
ゲーム中盤、サクナの親友であるココロワヒメが何者かの策にハマり、サクナを陥れようとするイベントがあります。最終的には両者は和解するんですが、結局誰がココロワヒメをそそのかしたのかは最後まで分からず仕舞いです。続編で分かるとか言うオチならいいんですが、そうでないのならシッカリとその犯人を出してほしかったですね。

ネットの話題性から入り、細かい内容もよく分からないままプレイしてみたんですが、予想以上にシッカリと作られた作品だったと感じました。稲作にハマるも良いですが、個人的にはアクションゲームとしても十分すぎるほど面白いと思います。
気になった方はぜひともプレイしてみてはいかがでしょうか?

【サイトはコチラ】
https://www.marv.jp/special/game/sakuna/
画像引用:マーベラス