ゲームの有料課金サービスが変わる?

イギリスの競争・市場庁(CMA)は13日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントと任天堂との間で、「有料ゲームの課金方式を変更する」という事で合意したと発表しました。これにより、これまで自動更新だったサブスクサービスの形が大きく変わると思われます。
具体的にはどういう事なのでしょうか?

ゲームのサブスクが変わる

「有料ゲームの課金方式」とは具体的に何を指しているのでしょうか?
これは両者が展開しているスマホゲームなどの課金の方法が変わるという意味ではありません。これは両会社が運営しているサブスクサービス(月額サービス)の事で、ソニーは「PlayStation Plus」、任天堂は「Nintendo Switch Online」の事を指します。

現在、この2つのサービスは加入すると、例え一切使っていなかったとしても、次月以降も「自動的」にサービス契約が継続します。CMAはこの形式をやめるように指示、これを受けてソニーは長期利用していない人に対して解約方法を伝え、任天堂は利用規約を自動更新しないように仕組みを替えたとの事です。

なお、これらの対応はイギリスで、という事になっており、2022年4月15日現在、筆者がそれぞれのホームページを見て確認しましたが、日本国内においてはルールの変更はされていません。今後、日本を始めとした世界各国でこのルールが適用されるのか、気になる所です。

幽霊会員商売が消える?

このニュースに戦々恐々していると言われているのが「幽霊会員で利益を得ている会社」です。

幽霊会員とは、「月額サービスに登録しているけど利用していない人」の事。つまり、利用してないけど、毎月お金を払い続けている人の事です。特にドコモやauなどの大手スマホキャリア公認の月額コンテンツに多いと言われています。キャリアの公式サイトの料金は、スマホ料金の中に含まれてしまう為、一見すると分かりにくくなっているからです。
例えば、月額500円のサイトに1,000人の幽霊会員がいれば、何もしなくても運営会社には50万円の収益が入る事になります。こうしたやり方で稼いでいるサイトもあるのです。

しかし、ソニーと任天堂という大手会社が「自動更新」をやめれば、それに追従して他の会社も取り入れる可能性があります。ドコモやauなどもそれに続けば、理論上、幽霊会員はいなくなってしまうと思われます。そうなったら幽霊会員のお陰で利益を得ていた小さな会社は大きな打撃を受けるわけです。

とは言え、そんなやり方は(違法ではないですが)真っ当な方法とは言えません。今後も残るのはキチンとコンテンツを更新するサイトであるべきであり、筆者個人としてはこの流れは大いに賛成です。
これによってスマホやゲームの課金の形がどうなっていくのか、気になる所です。