充電規格を統一へ

EU(ヨーロッパ連合)の執行機関・欧州委員会は、域内で販売されるスマホなどの充電機器について、規格を「USB Type-C」に統一する法案を発表しました。
消費者の利便性を高めて、充電機器の買い替えなどにおける廃棄物を減らす目的との事です。

統一されるとどうなる?

筆者は今年の7月に新しいスマホに買い替えました。以前のスマホの充電はType-Aという規格でしたが、新しい端末の規格はType-C。以前の充電ケーブルは使えず、新しいケーブルを買いました。しかし、昔買って今も使っているタブレットはType-Aなので、充電する際にはそれぞれ別々のケーブルを使わないといけません。
このような面倒臭さを無くそうという動きがEUで出てきたのです。

この法案が可決した場合、EC内で充電が必要な電子機器を販売する場合、必ずType-Cでの充電ポートを用意しないと販売ができません。機器を開発している側からすると大きな痛手と言えるかもしれませんが、利用者側から見れば、全て同じ規格で充電できるので便利になる、と言うわけです。

これについて、最も大きな関心が集まっているのがiPhoneを販売しているアップルです。
iPhoneは「Lightning(ライトニング)」という独自の充電ポートを採用しており、もしもこの法案が通ればEUでiPhoneを販売するなら、Type-Cの充電ポートを搭載したiPhoneを新たに作らないといけなくなります。新しい「穴」を作る事になる、もしくは今とは違う「穴」にする必要がある為、相応のお金がかかると予想されます。
案の定、アップルは反発しており「技術革新が阻害される」などと言っています。

なお、今回の「電子機器」はスマホに限らず、タブレット、デジタルカメラ、ヘッドホンなどと言ったモノも含まれており、法案が通ったならば各メーカーは対応に追われる事になりそうです。

日本はどうなる?

これはヨーロッパでのお話なので、今現在日本にはあまり関係の無い話です。ただ、この法案が通った場合、各メーカーはType-Cにも対応した機器を作り、その製品が日本にも入ってくるようになって、いつの間にか日本でも同じケーブルであらゆる機器が充電できるようになるかもしれません。
メーカーとしては国によって仕様が違う製品を作り分けるのはコストの面でも避けたいと考えるはずなので、EUの仕様がそのまま全世界に広がる可能性も考えられます。

前述した通り、利用者からすれば1つのケーブルでどんな機器でも充電できるのは便利な事です。筆者も「全部同じなら楽なのに」と思う事はよくあります。本当にそんな事になるのか、気になる所です。