ラグランジュポイント

「ラグランジュポイント」は、1991年にコナミから発売されたファミコン用ゲームソフトです。
ファミコンでありながらFM音源を採用、当時のコナミらしいハイセンスな音楽と、当時珍しかった本格的なSF要素を取り入れたRPGで、大ヒットとはいきませんでしたが、今もなお根強いファンがいる事で知られているゲームです。
当時の筆者(小学生)はコナミゲームのファンで、本作もコナミ製だからという理由で本作を購入しました。正直、小学生には難しいゲームではありましたが、その未来的なゲームデザインに強く惹かれました。

今回は、そんな「ラグランジュポイント」の魅力について語りたいと思います。

どんなゲームなのか?

「ラグランジュポイント」は遥かな未来を舞台に、宇宙に建設されたコロニーで起きたバイオハザード(生物災害)が発生。その原因を調査する為、主人公ジン達が活躍するというお話のゲームです。
基本は一般的なRPGで、敵を倒してレベルを上げてフィールドやダンジョンを進んでいきます。リアルなSF作品の為、「魔法」と言ったファンタジー要素はありませんが、「キット」と呼ばれるモノを使って回復したり、HPを消費して決め技を使うと言った形になっています。主人公ジンは人間ですが、サイボーグやロボットが仲間になったりします。
他、ファクトリーと呼ばれる場所で武器を合成したり、ソーラーカーやホバープレーンと言った乗り物に乗ったりでき、とにかく「剣と魔法の世界」が当たり前だった当時のRPGの中でSF要素が極めて強く、「メタルマックス」同様に異彩を放っていました。

魅力その1:重厚な世界観

地球は一切登場せず、物語は最初から最後までラグランジュポイントに建設されたコロニー群のみ。敵は機械が大半、生物も「エイリアン」などの映画から影響を受けたような見た目が多め(あんなにグロテスクではないですが)。この世界観こそが、本作最大のポイントと言って良いと思います。
また、音楽も極めてハイセンスで、スペーシーな雰囲気が強く、世界観を表現するのに一役買っています。
筆者は特に町のBGM「City of Birthday」、中ボスバトル「悲しみの戦士達」なんかが大好きでした。今でも好きです。

魅力その2:武器合成が超楽しい

物語中盤でファクトリーと呼ばれる場所に行く事ができるようになり、そこでは武器同士を合成させて新しい武器を作る事ができます。様々な武器を合わせて強力な武器を作る工程は実に楽しく、強い武器を作ってやろうとひたすら合成ばかりしていました。
特にレベルの高い武器(こうそくけん・コロナほう・ぜったい0どほうetc)などは戦闘でのエフェクトも大きく変わる為、作れた時の感動、そして戦闘でぶっ放した時の感動は、今でも忘れません。

魅力その3:魅力的なボスキャラ達

本作には何匹かボスが出てきますが、どの敵も不気味な見た目と強力な攻撃でコチラを圧倒してきます。特に序盤で戦う事になる「オレギ」はその気持ち悪い見た目と苛烈な全体攻撃、仲間だった少年を主人公達の目の前で無残に八つ裂きにする(アニメ入り)などの活躍(?)で極めて印象に残りやすく、本作をプレイした人ならばほぼ必ず記憶に残っているはずです(気になった方は動画サイトで見てみよう)。
オレギに隠れてしまいがちですが、レデスマ、ウェーバーと言ったボスたちも見た目が強烈で、記憶に残っています。
ラスボスは都合3回変身し、どれも見た目がまったく異なりますが、最後の形がカメっぽい見た目で、間抜けに見えるのは内緒です。

欠点もある

欠点が無いわけではありません。難易度はそこそこ高めで、特にダンジョンなどはシッカリと準備をしていかないと苦労します。本作は武器を使うのにBPというポイントを消費します。このBPの回復アイテムは十分な数用意しておかないとお話になりません。
また、決め技にどういう効果があるのか説明が無い、次にどこに行けばいいのか分かりにくい、ボスが何の前触れも無く出てくると言った部分も指摘されています。今でこそ全部頭に入ってるんで問題無いですが、当時はよくクリアできたなと思います。

復活は無い、らしい

と、筆者にとって本作は非常に素晴らしい作品でした。しかし、コナミとしては何らかの形で復活させる予定などはまったく無いようです。公式サイトなんてありませんし、アーカイブ配信なども一切行われていません。最初に書いた通り、大ヒットはしなかった為、コナミとしては30年経った今になって復活させる必要性が無いと考えているのでしょう。

今プレイするには、ファミコンソフトを買う以外に無いわけですが、箱無し中古でも2000~3000円と結構な値段です。箱付きなら1万円近くになっています。また、サントラも発売されていますが、こちらも定価の2~3倍というプレミア価格になっています。やっぱり人気あるんだね。

今プレイするには色々大変だと思いますが、ゲーマーならば一度はプレイしてみてほしい傑作RPGです。