ソウルブレイダー

ソウルブレイダーとは?

「ソウルブレイダー」は1992年に発売されたスーパーファミコン用アクションRPGです。
開発は「イース」シリーズを手掛けたスタッフによって立ち上げられた会社クインテット、発売はエニックス(現スクウェア・エニックス)が担当していました。

物語は強欲な王が悪魔を召喚し、世界中のあらゆる命と引き換えに黄金を求めた結果、世界から(王の命も含めて)命が奪われた。その事を憂いた神によって1人の天空人が地上へと降り立ち、悪魔を倒す為に旅に出る、というモノです。
ゲームは固定見下ろし型のアクションRPGで、敵を倒して経験値を手に入れてレベルアップし、ダンジョンを探索しながらアイテムを手に入れて強くなっていくという、オーソドックスな内容になっています。

パッケージがイマイチパッとしないモノだった事、同時期に名作として知られる「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」が発売された事もあり、あまり注目されず、歴史の中に消えていってしまった悲運な作品ですが、今でもリメイクの声がチラホラと上がるほど、一部の人達からは根強い人気を誇っています。

筆者も中学生時代にリアルタイムで本作をプレイした1人であり、今でも町の名前を言えるほどハッキリと記憶に残っています。
今回はそんな「ソウルブレイダー」の魅力をご紹介したいと思います。

魅力1:決して色あせない珠玉の物語

本作は7つのエリアからなり、敵を倒していく毎に、消えていた命が復活します。蘇る命は人間はもちろん、動植物、魚、更には人形や家具と言ったモノまで多種多様です。
そして、それぞれが様々な思いを持っており、話しかける事で様々なドラマを知る事ができます。そのドラマはグラフィックの進化などに関係なく、時代を超えて我々に色々な事を考えさせてくれるのです。

妻に先立たれた男の元にやってきたヤギ(妻が生まれ変わった姿)の話、森を守る1匹の犬の話、1匹のメスモグラを好きになってしまった2匹のオスモグラの話、1年間で寿命を迎える山の精霊の話、そして大罪を犯した王の話‥‥。

声も無く映像は古いドット絵です。しかし、そんな事は関係ありません。何十年も前の小説が今なお読まれ続けているのと同じように、時代を超えてこの珠玉の物語はきっとアナタの心に響くはずです。

魅力1:世界観を豊かに素晴らしい音楽

音楽を担当したのは、ゴダイゴのタケカワユキヒデ氏です。日本のミュージックシーンにおいて確かな足跡を残した氏が作り出す音楽は世界観に実にマッチしており、本作を何倍も魅力的なモノにしています。
特に素晴らしいのが、町のBGMです。命一つ無い町のBGMと(敵を倒して)命溢れる町のBGMは、どちらも同じメロディを使用しているのですが、曲調が物悲しいモノから明るいモノへとガラリと変わっており、実に印象的なモノとなっています。他にも、とある研究所の地下で流れる恐ろしさ溢れるBGMも素晴らしい出来栄えです。
なお、本作のサントラは大変貴重な品となっており、現在15,000円以上する超プレミアアイテムとなっています。

【町のBGM】

魅力3:手ごろな難易度

高難易度の評価は人それぞれですが、筆者は難しすぎるゲームは苦手です。2~3回トライして突破できなかったりするとすぐに投げ出してしまいます。
本作は難易度的にはかなり低い方で、シッカリとレベルを上げて、パワーアップアイテムを取り逃さなければ、誰でもクリアできる難易度となっています。操作も簡単です。
今でこそ、誰でもクリアできるゲームが当たり前になっていますが、当時はSFCが出たばかりで、まだファミコンをやっている人もいました。まだまだ難易度が高いゲームも数多くありました。そんな中、誰でもキチンとクリアできる難易度だったのは良かったと思います。

ぜひリメイクを!

本作を開発したクインテットは倒産しており、移植も一切されていません。当然アーカイブ配信などもされておらず、今プレイするにはスーパーファミコンを物置きから引っ張り出すしかありません。
筆者個人としては、こんな素晴らしいゲームがこのままゲーマーの記憶からも消えていってしまうのは実にもったいない事だと思っています。ぜひとも、誰か(今風になっても構わないので)リメイクしてくれないかな……。

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