3Dテレビの登場

2009年に公開され、空前絶後の大ヒットとなった映画「アバター」。
「アバター」は一般的な見方の他に「3D映像」も楽しめる映画でした。特殊なメガネ(赤と青のセロハンみたいなアレ)を掛けて見る事で、映像が画面から飛び出し、これまでとは違う立体感・迫力が楽しむ事が出来たのです。
この映画の大ヒットで、他のアクション映画もこぞって「3D」を押し出し、それにより世間では急激に「3D」という新しい技術に注目するようになりました。
2010年にはついに一般のテレビも3D対応のモノが出てきました。しかし、当時はまだ3Dを楽しむには特殊なメガネが必須でした。
が、同じ2010年には裸眼でも3Dを楽しめるテレビも登場。テレビやイベントなどでも頻繁に取り沙汰されるようになり、誰もが「これからの映像は3Dで楽しむ時代になるんだ!」と胸躍らせたのです。

イマイチパッとしないまま終焉へ

一般のテレビ番組も次々と3D対応の番組を放送。特にサッカー中継やアイドルやミュージシャンのライブなどが3Dで放送され、好評でした。
さあ、これからは3Dだ! と思われたのですが、そこから妙に盛り上がらなくなってしまい、映画やスポーツ、ライブなどの放送を除くと他の番組はなかなか3Dに対応する事はありませんでした。
また、3Dテレビもテレビ全体の2割程度で、売れ行きも微妙。一時の熱が嘘のように3Dの話題は消えていきました。
3Dテレビ番組も3~4年ほどで寿命を終えており、テレビ本体に関しては2017年を最後に国内では新作は発表されず、2021年現在、家電量販店に3Dテレビが置かれている事はまずありません。
よく「嵐のように」と言う表現がありますが、3Dテレビについては予兆こそあったものの、結果的に嵐と呼べるほどのブームを巻き起こす事は出来ず、消えていく事になりました。
かくゆう筆者もイベントなどで3Dテレビを見た事はありましたが、自分で買う事は無く、気がついたら跡形も無く無くなっていました。

衰退の原因は何なのか?

衰退の原因は明確な数値が出ているわけではないので、ここからは筆者の推測がおおいに入る事をご注意下さい。

・メガネが不評だった
個人的にはこれが衰退の最大の原因だったのではないかと思います。
普段メガネをかけない人からすればイマイチ馴染めないでしょうし、メガネをかけてる人はメガネ2重という何ともヘンテコなモノに。
また、仕様上非常に目が疲れる事もあると思います。映画と言った「特殊な」時なら集中して見れると思いますが、家でノンビリと見る時に3Dというのはちょっと難しかったと思います。
そもそもメガネを掛けないと見れないという事そのものが「不便」と感じられたのではないかと思います。

・3Dの必要性が無かった
3D化されたのは映画やライブばかりで、ニュース番組やバラエティ番組などに3D化されませんでした。またアニメなどの場合、予算の関係か3D化はほとんどされませんでした。
そもそも、ニュースやバラエティに3Dは必要が無く、一般視聴者がそれほど3Dを求めていなかったというのもあったと思われます。

・東日本大震災の影響
2011年3月11日に起きた東日本大震災は未曾有の損害と衝撃を日本に与えました。これにより、テレビなども新しい「技術を楽しもう」という雰囲気では無くなり、多くの3D化計画がとん挫。元の生活に戻る頃には3Dブーム自体が下火になっていて、結局その計画が再開される事は無く、衰退の一因になったと思われます。

これからの3D

今現在、3D対応のテレビを(中古などで)買ってもほとんど意味はありません。現在放送してるテレビ番組は一切3D化されておらず、ブームの時に出た3D対応型映画を楽しむ以外にほとんど使い道は無いと思います。それも、例えばPS4で見ても3D化出来るようになったので、わざわざ対応テレビを買う必要性は無いでしょう。
今後は「VR」のようにただ見るだけでなく、能動的に動く事で楽しめる技術が伸びていくと思われます。そのVRもまだまだ日常生活の一部になったとは言い切れない状態であり、これからどうなっていくのか、楽しみ半分不安半分と言った所です。