SIMロックを原則禁止に!

総務省が27日に開いた有識者会議にて、携帯大手が端末を特定の回線(自社回線)でしか使えなくする「SIMロック」について、全面的に原則禁止にする案を出しました。気軽に携帯会社を乗り換えられるようにし、競争を促す目的があると見られています。

SIMロックとは?

普通に大手キャリアでスマホを購入し、ずっと使っている人からすれば「SIMロック」という言葉はあまり馴染みが無いかもしれませんが、これからの時代、目にする機会も増えてくると思うので、知っておくと便利だと思います。

スマホには「SIM」と呼ばれるカードが必ずついています。「SIM」とは「Subscriber Identity Module Card」の略で、携帯電話番号などの識別情報(個人情報)が記録されているカードの事です。
「SIMロック」とは、「特定のSIMカードでないと起動しないスマホ」の事を指します。「そのスマホ、SIMロックかかってますよ」という風に使います。

何故、こんな事になっているのか? それは不正を無くす為です。
現在、スマホ本体の価格はかなり上がっており、支払いは分割で払う事が多くなりました。例えばその料金が全部払われる前に利用者がスマホを持ち逃げした場合、SIMロックをかけておけば、特定のカード(基本的にはスマホ本体と一緒に契約したカード)でしか動かない為、売る事も出来ず、結果持ち逃げするメリットが無いわけです。
キャリアからすれば、SIMロックがかかっているスマホは売る事もできず、SIMも基本的にはその端末でしか使えない為、新しい端末を買うにしても同じキャリアから正規のモノを買う事になり、「客離れ」が起きにくいというメリットがあります。

これに対して海外ではSIMフリーが当たり前で、中古や他キャリアの端末を気軽に買って、SIMだけを差し替えて使うようになっています。AppleStoreで売られているiPhoneは現在、全てSIMフリーです。
実は筆者の端末も「SIMフリー」です。以前使っていた端末が壊れてしまい、新しいのを買う必要が出てきたのですが、最新モデルは非常に高価だったので中古で買う事にしました。ネットで端末だけを購入し、その端末に自分のSIMカードを差し込む事で使えるようになりました。
電話番号やメールアドレスなどはSIMカードの方に記録されているので、端末が変わっても以前と変わらずに使う事ができるのです。
ただ、キャリア自体は変えていないので、端末を変える前も後も同じキャリアに同じ料金を支払っています。

日本でも一定の条件下でSIMフリーにできる仕様になってきていますが、まだまだハードルが高い状況です。これに対して総務省が苦言を呈した形になったわけです。

全面SIMフリーになるか?

現在は「基本的にSIMロックがかかっていて、不正の可能性が無いと判断した時だけ解除」という形になっています。それが今後は「基本的にSIMフリーで、不正の可能性が高いと判断した時だけロック」という形になるかもしれません。
大手キャリアが次々と通信料金の値下げを打ち出している今、気軽にキャリアを変えたいと思う人も増えると思います。今回の提案がそれの後押しになるのか、気になる所です。