クソゲーのデスクリムゾン

伝説のクソゲー

クソゲーという言葉はタレントのみうらじゅん氏がファミコンの「いっき」や「頭脳戦艦ガル」を紹介する際に初めて使われた言葉だと言われています。
それから幾年月……。今現在、クソゲーと言われるゲームはかなり数を減らしています。既にゲーム業界が円熟期に入っている事、様々なツールの開発により個人でも優れたゲームが作れるようになった事などがその要因と言われています。

そんな状態のクソゲーですが、今なお決して外す事ができないタイトルがあります。それが「デスクリムゾン」です。
とてもプロが作ったとは思えないグラフィック、ツッコミ所満載の内容、不親切な仕様など、あらゆる面に問題があり、発売されてすぐに(悪い意味で)話題になりました。
今回はそんな伝説のクソゲー「デスクリムゾン」をご紹介したいと思います。

デスクリムゾンとは?

「デスクリムゾン」は1996年にエコールソフトウェアから発売されたセガサターン用のゲームソフトです。
ジャンルはガンシューティングで、セガサターン専用のガンコントローラー「バーチャガン」対応ソフトです。

ストーリーは、傭兵・コンバット越前がとある遺跡で「クリムゾン」というガン偶然手に入れる所から始まります。10年後、ヨーロッパを謎の伝染病「KOT症候群」が襲う。医師となっていた越前がクリムゾンを携えて探索に出ると謎の敵に襲われて……というモノ。

ここまで書くと、まあよくあるパターンと言えなくもないですが、中身に関しては前代未聞の問題だらけ。

まずはオープニングデモが凄い。勿論悪い意味で。
セピア色の荒い実写動画で、そこに銃声やヘリコプターの音が入ってきます。そして「グレッグ!ダニー!大丈夫か?」と言った声が入ってきます。どうやら戦場の様子を表しているようですが、映像はただ風景画で兵士も爆発も一切無く、臨場感など一切ありません。
そして3DCGの扉の映像になり、ここでかの有名な「せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ!」のセリフが。何が「せっかく」なのかも分からず、しかも扉の色は赤くないという素晴らしいチグハグ感。
このセリフはクソゲー屈指の名台詞として試験(何の?)に出るのでよく暗記しておいた方が良いでしょう。

肝心のゲーム部分も問題点だらけです。

前述したように本作はガンシューティングゲームなのですが、まず、グラフィックが非常に汚く、見づらいです。どれくらい汚いかは皆さん、動画サイトなどで確認しましょう。
敵の出現もいきなりだし、敵の攻撃を受けた後の無敵時間も無い為、連続して攻撃を食らうとあっという間にやられてしまいます。ガンシューティングにおいて極めて大事な「精度」も微妙で、テレビ画面にガンコンを接触させて撃ってもそこに着弾しないというお粗末さ。

細かく列挙していくと、いくら時間があっても足りないのでこれくらいにしておきますが、とにかくあらゆる面において問題があり、とてもゲームとして楽しめる代物ではありませんでした。

凄すぎて伝説と化す

あまりもダメな部分が目立った結果、当時のゲーム雑誌でも散々叩かれる始末。当時の「ファミ通」のクロスレビューにおいて「ゲームに点数を付けるという行為に限界を感じた1本」と言わしめ、得点は驚異の13点(40点満点中)

しかし、そのダメさ加減があまりにも突き抜けていた為、逆に話題になるというおかしな事になり、製作者のインタビューが掲載されたり、ソフトが再販された際に社長自らファンに手渡ししたり、越前の声を担当した声優(せいじろう)のイベントが行われたりと、変に活気づくという奇妙な事になっていきました。

そして今…

その後、「デスクリムゾン」は続編が2作販売されました。ゲームとしての出来は悪くなかったものの、一流ソフトには到底及ばず、あまり人気も出ませんでした。
現在は続編の知らせも無く、自然消滅的な感じになっています。

大元のサターンのデスクリムゾンは現在、そこそこプレミアが付いており、7,000円前後で取り引きされています。
ただ、今現在セガサターンが現役で動いている事は大変珍しい事であり、コレクターアイテム以外の何物でもないでしょう。

当時はまだ新規参入の会社もおり、玉石混交の状態でした。そんな中生まれた良くも悪くも奇跡の1作。
ゲーマーならば是非ともプレイしてみてほしい作品です。

【商品の購入はコチラ】